映写雑記

映画館の設備視点

映画館と席の選び方とか

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おはようございます。

今回は、映画館の選び方や、引き続き良く聞かれる質問ベスト3などこの席が良いのって事について少々。

まず映画館の選び方について、あくまで個人的な持論を展開します。

まず、選び方に入る前に映画館への考え方について少し強制も入ってしまいますが、僕の考えを刷り込みます。

最近、流行りの爆音上映対応劇場や、以前からあるTHX、IMAX、ウルティラ等の劇場がありますね。この設備面や規格などの特別な仕様に対応しているスクリーンは一つのシネコンでも全スクリーン中1~2スクリーンだけだったりと、一部な事がほとんどです。

そこで勘違いされ易いのが、それらの特別仕様のスクリーン以外はクオリティの低いスクリーンだと認識されがちです。

断じて否。

規格や売り文句が付いてないだけで、拘りが凄くクオリティが高いスクリーンはいっぱいあります。確かに、手抜きされてる事もかなり多いですが、本当にこだわっている映画館は特別な規格以外のスクリーンでも相当なスペックを有しています。

この映画は通常上映だから、特別な規格のスクリーンじゃないから最寄りの映画館でいいやという考えはとても損した考え方です。

なので、いろんな映画館に足を運んでみましょう。

映画館は一日して成らずです。

 

では本題、

映画館の選び方

ぶっちゃけこっちの話題の方が超絶簡単に済みます。

好みと気分とシーンで選べばいいのです。

例えば、デートで良い雰囲気で映画を観たいというシチュエーションであれば、雰囲気が良く、建築デザインもオサレな所を選ぶだけです。

大人っぽい気分で満喫したいときは大人な雰囲気があるミニシアターとかに行けば良いのではないでしょうか。

爆音でテンションあげて楽しみたいならそいう上映してる映画館へと。

要は、だいたいの人は映画自体はそのような選び方をしてますよね、今日は女の子とデートだからなるべくロマンチックな映画を観ようとか。それを映画館でするだけです。思っている以上にいろんな個性的な映画館は多いですので、選ぶのに悩むぐらいは楽しめます。たまに雑誌で特集されてたり、ネットで探すといろいろ情報でてくるので是非探してみてください。

 

次にだいたいみなさん直面する映画館の席の選び方ですが。

映画が趣味で、何度も映画館に通っている人へは、好みで決めろ。で終わりますが、あまり慣れてない人は、きっと席を選ぶときにどこ選べばいいのだろう、、、となるかと思います。

とりあえず最初は中心より3~4列ぐらい後ろを選ぶと良いです。IMAX等のラージスクリーン(ものすごい大きなスクリーン)の劇場であれば更に後ろの中心より5~8列目とかでもいいと思います。とりあえず凄くアバウトでいいです。最初はそこを基準にするというだけです。

あと、中央は人気スポットなので埋まりがちです。右か左かで悩んだ場合は、家でテレビを見ている時にテレビに向かって自分の頭が右側か左側のどちらにいるかで選ぶと良いと思います。テレビより、頭が右側にいる場合は右側の席を。という感じです。

あとは耳にも効き耳みたいなものがあるので、右耳が効き耳の場合はスクリーン中心から左側の席を選ぶと良いです。

まあこのあたりは、科学的なロジックがあるわけではなく、なんとなく映画の試写したり映画館で映画観てるときに、覚えた事です。

厳密にはちょっとした理由もあるのですが、割合します。

めんどくせーって場合は素直にスタッフさんに聞きましょう。「何処が良いですか」ではなく「どこの席が観易い席ですか」と聞くのが良いかもしれません。

簡単な選び方はこんなもんだと思います。

 

何度も映画館に通って、各スクリーンごとに好みの席を探すのも一つの楽しみ方としていいのではないでしょうか。映画館は一日にしてならry

 

で、

映画館が好きになり、映画館の設備に興味を持ちだすと、席の選び方が変わってきます。

そういった映画館マニアの人たちは席選びではなく席分析をしていますね。気が向いたら、その人たち向けの選び方の一例でも書こうと思います。

 

いつも通り特にオチはないですが、この辺で。

音に関する事

最近、映画館の音響に対する関心が高まっていておぉー!とは思っています。音響に力いれてる映画館の一つのウチとしてもうれしいなーとは思いますが、思う事がありまして、確かに爆音上映で低音スゲーっていう上映をしてきたのも事実ですが、低音スゲーってのは、そいうのもできるけど、別に低音や音圧をめがっさ出したいからSW入れたりラインアレイ入れたりしたわけじゃないんですよと。

 

ものすごい勘違いされていますが、システム的余裕があれば大は小を兼ねるじゃないですが、どんな映画でも再生できるし、ゆとりがある音で鳴らせるというのが前提であり、低音崇拝ゲーみたいになってるのは少し悲しいなぁと。まあすっごい低音出てますけど。

うちで低音が酷くボわついたり、酷く誇張されて再生されてしまう事もありますが、それはスピーカーの再生能力が高いために、入っている元の音がしっかりと再生されてしまっているっていうのが原因なんです。

基本的なセッティングは全世界共通のISOやらSMPTEやらの規格にのっとってちゃんとセッティングしてあります。そのうえで、スピーカーの再生能力の差がその先に生まれてしまっているだけです。

現に爆音上映の作品であってもSWのレベルは一切上げてない事も多いですよ。

SAOに関してはSWレベル一切上げてませんし。

 

音が大きい=音が良いじゃないんですと声を大にして言いたい。

うちは余裕で大きな音が出せるスペックを持っていていろんな上映ができる劇場ってなだけです。

まあすっごい低音でてますけど(2回目)

映画の上映形式

こんにちは。はてなブログなんか楽しいですね。

勢いが乗っている時にはどんどんアップします。

今回は良くプライベートとかで聞かれる質問ベスト3に入る、映画ってどうやって映画館に来るの?って質問に答える形で、映画が上映されるまでを説明できたらいいなと思います。

 

まずは一世代前、つまりデジタルではなくフィルムの場合を説明します。

デジタル以上にフィルムってどうやって来るかというのは伝えにくかったりします。

答えはこのような形で配送されてきます。

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僕らはコンテナとかって呼んでます。この中にリール分けされたフィルムがバームクーヘンの用に重なって入っています。

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ケース開けた状態ですが、このような形でこのコンテナに入っています。

これでだいたい20分程度の長さのフィルムになります。これを2時間映画であれば6リール程度に分かれており、それを各劇場のスタイルに編集して上映します。

配送→編集(フィルムのスプライス繋ぎ作業等)→映写機セット→試写テスト→一般ロードショー上映→上映期間終了→バラシ作業(配送されてきた状態に戻す)→配給に出荷

という形になります。

 

そうそう、試写テストというのは各劇場で何をしているかというのは結構千差万別です。

基本的には、レンズのフォーカス合わせ、フレーミングの調節、マスターボリュームの調整、映写機の動作チェック、フィルムコンディションのチェック、となります。

以上の各項目をさらに細分化して細かくチェックしている劇場もいっぱいあります。

ストップウォッチもってコンディションを時間と一緒にメモしながら通してみる等している劇場も多く、映画一人でいっぱい見れていいなーとかよく言われますが、内容みてる余裕なんてないっす。って事もあります。

フィルムの上映するまではこんな感じです。

 

次にデジタル上映がされるまで。

最近のメジャーであるデジタル上映は僕らはDCP上映とか言ったりしています。

DCPというのはDigital Cinema Packageの略で、映画のコンテンツのパッケージングの事を言います。これはみなさんもPCなどでお使いのHDDで送られてきます。

こんな感じで。

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外付けハードディスクになっており、USB2.0か3.0、SATAで接続できるようになっています。

中には普通にPCパーツ売り場に売っている3.5インチHDDが入っています。

小さい配給などでは市販の外付けHDDで送られてきたりますね。

さっきのフィルムのコンテナと比べると大変コンパクトで軽いです。

比較写真を撮るのがめんどくさかったので無いですが、フィルムは片手で運ぶのが少し辛い程度に重いです、体感20kgぐらい?ですね。DCPはただのHDDなので梱包いれて1kgあるかないかです。

 

そしてこれが配給から配送されてきたら、劇場にあるサーバーにデータのインジェストをします。これでもう上映ができるようになります。フィルムに比べて手間暇が全くありません。ただ一つだけ手間がありまして、フィルムは物があればなんとでも上映できますが、DCPはセキュリティキーが存在しており、そのキーを解除しないと上映できません、そのキーの事をKDMと言います。

KDMは配給より、各劇場の担当者へメールで送られてきます。KDMには何月何日から何月何日まで上映できますよという情報が含まれており、その期間中は上映できます。

 

DCP上映は

配送→インジェスト→プレイリスト作成→試写テスト→一般ロードショー上映→上映期間終了→HDD返却(配給によってはインジェストした段階で返却)

となります。

大体、流れはフィルムと一緒なのですが、各作業にかかる負担がデジタルはとても楽です。

編集作業というものがPC上でポチポチするだけなので数分で終わります。(フィルムの場合半日ぐらいはかかります。)

試写テストでは、マスターボリュームを決めるだけで良いので、本当に楽です。

 

これがフィルム上映とDCP上映がなされるまでの大まかな流れです。

番外編でブルーレイ上映というのがあります。

読んで字のごとく、ブルーレイディスクでの上映になります。

これは配給からブルーレイディスクをお借りして、ブルーレイプレイヤーとプロジェクターをつなげて、感覚的には本当にホームシアターのような操作で上映します。

僕が知っているなかでは業務用ブルーレイプレイヤーは無いので、恐らく大多数の劇場さんは市販のブルーレイプレイヤーを使っているかと思います。

これは配給の負担やコスト面では大変優れているのですが、現場面やクオリティ面では最悪です。

ただその最悪を家庭用のクオリティから映画館クオリティで最高にするのが各劇場の務めだと思うので、ブルーレイ上映を上手くしている劇場さんは凄いと思います。

 

ではまた。

 

映画館のスピーカー

こんにちは、ブログをはてなブログに移しました。こっちの方が使いやすい。

今回は映画館のスピーカーについて少し。

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スピーカーにはパッシブスピーカーとパワードスピーカー(アクティブスピーカー)がありますよね。映画館にはパッシブが良く使われます。

 

パッシブは別途アンプが必要なので映写室の音響機器の占有スペースがたくさん必要です。あと映写室の温度が凄まじく上がります。

パワードは映写室がすっきりですし、エアコンにも優しい室温です。

あとよく、オーディオの世界でいうのはアンプとスピーカーの間は短い方が音が良いっていいますよね。パッシブだと映写室のアンプと場内のスピーカーまでうん十メートルという距離になります。

パワードは長くても数十cmぐらいですかね。

 

じゃあパワード良い事しかないじゃん!って思ったかもしれません。

そんな事はないのです。

 

まずSNが悪くなった時にアンプでレベル下げれば改善するぜ!って場合が多いのですが、パワードは下げれない機種も多かったり、映画館のような常設設置のスピーカーだと簡単に手が届きません。なので、SN悪くてノイズが出てきた場合悲惨です。

あと、トラブルした時に詰みやすいです。パワードはアンプを内蔵しているわけで、アンプが飛んだ場合、交換や復旧が難しいです。映画館によってはスクリーン裏にアクセスできずに交換ができないという事もあるのではないでしょうか。

 

ウチはパワードとパッシブ両方あり実際にアンプが飛んだ事が何回かありますが、メインスピーカーの場合、数メートルの高さのスクリーンフレームをよじ登り、10kgぐらいあるアンプを不安定な足場の中交換するのは正直辛いです。映写室にアンプがある場合は、映写室で鼻歌歌いながら交換でした。

それと特殊な事例ですが、アンプの中にあるEQのフィルターが機能しなくなり、アンプを交換しなければいけなくなることもあったりと、以外にアンプ交換というのは多いので、楽な位置にあるほうが現場的には嬉しかったりします。

 

でもまぁどっちが良いかは劇場の設計や運用の仕方で変わってくるので、合っている好きな方を選ぶといいと思います。

 

ちなみに僕はパワードの方が好きです。

何故かって?なんかメカメカしくてカッコいいからです。