映写雑記

映画館の設備視点

映画の上映形式

こんにちは。はてなブログなんか楽しいですね。

勢いが乗っている時にはどんどんアップします。

今回は良くプライベートとかで聞かれる質問ベスト3に入る、映画ってどうやって映画館に来るの?って質問に答える形で、映画が上映されるまでを説明できたらいいなと思います。

 

まずは一世代前、つまりデジタルではなくフィルムの場合を説明します。

デジタル以上にフィルムってどうやって来るかというのは伝えにくかったりします。

答えはこのような形で配送されてきます。

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僕らはコンテナとかって呼んでます。この中にリール分けされたフィルムがバームクーヘンの用に重なって入っています。

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ケース開けた状態ですが、このような形でこのコンテナに入っています。

これでだいたい20分程度の長さのフィルムになります。これを2時間映画であれば6リール程度に分かれており、それを各劇場のスタイルに編集して上映します。

配送→編集(フィルムのスプライス繋ぎ作業等)→映写機セット→試写テスト→一般ロードショー上映→上映期間終了→バラシ作業(配送されてきた状態に戻す)→配給に出荷

という形になります。

 

そうそう、試写テストというのは各劇場で何をしているかというのは結構千差万別です。

基本的には、レンズのフォーカス合わせ、フレーミングの調節、マスターボリュームの調整、映写機の動作チェック、フィルムコンディションのチェック、となります。

以上の各項目をさらに細分化して細かくチェックしている劇場もいっぱいあります。

ストップウォッチもってコンディションを時間と一緒にメモしながら通してみる等している劇場も多く、映画一人でいっぱい見れていいなーとかよく言われますが、内容みてる余裕なんてないっす。って事もあります。

フィルムの上映するまではこんな感じです。

 

次にデジタル上映がされるまで。

最近のメジャーであるデジタル上映は僕らはDCP上映とか言ったりしています。

DCPというのはDigital Cinema Packageの略で、映画のコンテンツのパッケージングの事を言います。これはみなさんもPCなどでお使いのHDDで送られてきます。

こんな感じで。

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外付けハードディスクになっており、USB2.0か3.0、SATAで接続できるようになっています。

中には普通にPCパーツ売り場に売っている3.5インチHDDが入っています。

小さい配給などでは市販の外付けHDDで送られてきたりますね。

さっきのフィルムのコンテナと比べると大変コンパクトで軽いです。

比較写真を撮るのがめんどくさかったので無いですが、フィルムは片手で運ぶのが少し辛い程度に重いです、体感20kgぐらい?ですね。DCPはただのHDDなので梱包いれて1kgあるかないかです。

 

そしてこれが配給から配送されてきたら、劇場にあるサーバーにデータのインジェストをします。これでもう上映ができるようになります。フィルムに比べて手間暇が全くありません。ただ一つだけ手間がありまして、フィルムは物があればなんとでも上映できますが、DCPはセキュリティキーが存在しており、そのキーを解除しないと上映できません、そのキーの事をKDMと言います。

KDMは配給より、各劇場の担当者へメールで送られてきます。KDMには何月何日から何月何日まで上映できますよという情報が含まれており、その期間中は上映できます。

 

DCP上映は

配送→インジェスト→プレイリスト作成→試写テスト→一般ロードショー上映→上映期間終了→HDD返却(配給によってはインジェストした段階で返却)

となります。

大体、流れはフィルムと一緒なのですが、各作業にかかる負担がデジタルはとても楽です。

編集作業というものがPC上でポチポチするだけなので数分で終わります。(フィルムの場合半日ぐらいはかかります。)

試写テストでは、マスターボリュームを決めるだけで良いので、本当に楽です。

 

これがフィルム上映とDCP上映がなされるまでの大まかな流れです。

番外編でブルーレイ上映というのがあります。

読んで字のごとく、ブルーレイディスクでの上映になります。

これは配給からブルーレイディスクをお借りして、ブルーレイプレイヤーとプロジェクターをつなげて、感覚的には本当にホームシアターのような操作で上映します。

僕が知っているなかでは業務用ブルーレイプレイヤーは無いので、恐らく大多数の劇場さんは市販のブルーレイプレイヤーを使っているかと思います。

これは配給の負担やコスト面では大変優れているのですが、現場面やクオリティ面では最悪です。

ただその最悪を家庭用のクオリティから映画館クオリティで最高にするのが各劇場の務めだと思うので、ブルーレイ上映を上手くしている劇場さんは凄いと思います。

 

ではまた。