映写雑記

映画館の設備視点

映画館の音の心臓「CP650」を解剖してみた ハード編

 

f:id:achamiya:20200815235412j:plain

CP650

こんにちは、今回は映画館の音の心臓ともいえるCP650。ちょっと怪我をしたために部品どりとしてストックしてある子を解剖してみたので、観察日記にしてみようと思います。

個体によって、積んでいるオプションボードが違って結構中身が違うので観察して面白い子たちだと思います。

 

ハード編では、プロセッサー自体を解剖してみて観察します。

ソフトウェア編では、プロセッサーに電源をいれて操作してみたり、PCをつないでみて観察します。

二部構成です!

 

CP650とは何か

そもそもCP650って何ですかって話だと思います。

CP650とはドルビー社が発売していた、映画館用のサウンドプロセッサーです。

もう販売もサービスも終了しており、古いプロセッサーとなりますが、現役な映画館も多いとおもいます。私のいる映画館でも現役で動いております。

 

現行機種はCP950という3世代ほど進んでいます。何故そんな古いプロセッサーを現在も現役で使用しているかという話になりますが、実は35mmフィルム上映ができるプロセッサーとしては最終モデルで、35mm上映するのに必要なのです。CP650の次の世代であるCP750から35mmフィルムの上映ができなくなります。

 

古い機体ではありますが、35mmも扱えて、一台で7.1chまで対応できるプロセッサーとして優秀なシネマプロセッサーです。

音は現行機種の方が良いのですが、650も悪くはないです。

 

とりあえずバラしてみよう

f:id:achamiya:20200816001501j:plain

フロントパネル

フロントパネルです。

右側のボタンでどの音声出力をするかを設定とチョイスできるようになっています。 

 

f:id:achamiya:20200816001559j:plain

フロントパネル2

このフロントパネル開けたところにある右上のネジ一本だけはずすと前面がパカっと取れます。

R232CでPCを繋いだり、オシロスコープつないだり測定マイクを繋いだりして調整用途がメインです。SNが出てますがまあ時効でしょう。

 

 

f:id:achamiya:20200816001833j:plain

フロントパネル3

ちょっと古いメカな感じがして一気にワクワクする気持ちが湧いてきます。

 

 

f:id:achamiya:20200816002037j:plain

CP650の中身

さらにパネルがネジでとまっていて、ケーブル二本が刺さっているだけなので取り外すと、このような感じでボードと電源ユニットの部屋が出てきます。

 

 

f:id:achamiya:20200816002214j:plain

ケース内の電源ユニットスペース

簡素な作りですが、エアフロよさそうで熱害は起きにくそうですね、シンプルイズベスト

左側のボードのスペースにもエアーが流れる作りになっています。

 

  

f:id:achamiya:20200816002518j:plain

マザーボードとかオプションボード?

ボード類はPCのメモリーみたいにボードの左右についてるつまみを起こすと引っこ抜けるようになっています。

 

 

f:id:achamiya:20200816003425j:plain

Cat772B

まず下段のボードさん、Cat772Bと書いてあります。

Analogue I/O and bypass circuit boardとあるので、まあ多分アナログのインプットとかそいうの担当しているのでしょう(アバウトすぎる)

 

 

f:id:achamiya:20200816003733j:plain

Cat774A、Cat773、Cat790、Cat797

次は上段のボードです。いっぱいボードがついています。

ここで、アドバイザーとして月夜野さんにヘルプを出しましてどんなボードなのかちゃんと聞きました。ボードの名前だけだと多分そんな感じなボードとしかわからなかったので。

 

写真左側のCat790

SRD-EXのデコーダーボードです、6.1chするのに必要ですね。

そして、AESでデジタルインプットするためのボードも兼任していて、今ではこっちの方がメインの使われ方です。7.1chも対応できます。

写真右側はCat773

ドルビーデジタルデコーダーだそうです。

SRDするのに必要って事でしょう(聞き損じた)

月さんありがとうございました。

 

 

f:id:achamiya:20200816004924j:plain

Cat774A

上二枚を外すと、Cat774AとCat797がでてきます。

Systems controller boardと書いてあるので、おそらくマザーボードみたいなものだと思います。

右側のバーコードがついてるシールが貼ってあるところがちょっと浮いていて、CPUみたいな足がいっぱいついているボードになっています。Cat797-1です。

Flash ROM boardとかいてあるのでFROMなのでしょう。

774Aの右上にボタン電池があるのでBIOSのようなもののバックアップがされているという事だと思いますが、この子死ぬとデータ飛ぶのでは、、、?定期的に通電しなければダメかしら。

 

 

f:id:achamiya:20200816005852j:plain

電源スペース

天板を外して電源スペースもみてみました。

なんか左側のBYPASS FUSE F2ってかいてあるところ膨らんでませんかね?コンデンサみたいなのだったら怖いですね。

シンプルですね。

 

 

f:id:achamiya:20200816010111j:plain

上から

全部戻して上から撮影してみました。なんかオーディオアンプでよくある写真ぽいですね。

 

 

 

f:id:achamiya:20200816010257j:plain

日本語マニュアル

ちなみに、箱の中もう一個箱があって中にマニュアルが入っていました。

知らなかった、、、今まで下の写真の英語のマニュアル(インストールマニュアル)読んでました。載ってる事は一緒ですが、要所を抜粋されてちゃんと日本語訳されている、、、!多分こんな事が書いてあるとか結構アバウトに読んでたところがちゃんとわかりました。く、くやしい。(英語版の薄いユーザーマニュアルもあります)



f:id:achamiya:20200816010423j:plain

インストールマニュアル



あとバックパネルを載せてませんでした。

f:id:achamiya:20200816010743j:plain

バックパネル

映写機についているサウンドリーダーからのインプットや、音のインプット、アンプなどに繋がるアウトプットといっぱいついてます。遠隔操作ようのコネクタもあります。最近のCP850とかはHDMIやLANもついていますね。

 

ちゃんと最後は元に戻してあります。バラし道は元に戻すまでがバラし道です(キリッ

 

本当にただバラしただけでした。けどとっても可愛い子ですね。

ハード編はこのあたりでしょうか。

次はソフト編をやりたいと思います。その前に何か別のネタを挟むかもですが。

 

ではまた

 

追記

月さん「え、てかブログ読んだけど、その持ってるInstallation Manualに全部書いてあるよ?」

私「え?....(パラパラとめくる)...ほんまや!!!!」

あんまりちゃんと読んでない事がバレた時でした。