映写雑記

映画館の設備視点

映画館でステレオ音源はとても難しい(前編)

こんにちは、今回はちょっと小難しい内容だとおもいます。

ほんとはいろんな画をいっぱい描いて貼り付けて、読みやすくと思ってたのですが、描く時間がなく、まったくブログの更新がはかどらないので、もう文字だけでいいやとなりました。すみません。

とりあえず

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お猫さま

子供のころに一緒に暮らしていた私の愛するお猫様のセクシーショットを置いておきます。

 

今回の話は、以前のジブリを映画館で観るべき理由を綴った日記の中で、千と千尋のEDをまともに鳴らすのが難しいと話しました。その理由にもなる話なのでまとめたいと思います。

achamiya.hatenablog.com

普段、一般の方が生活をする中で一番利用するのは2ch(2チャンネル)のシステムです。今のテレビやイヤホンで聴く音の大半は2chステレオオーディオになります。

オーディオマニアの方たちも2chまたは2chにサブウーファーを足して、2.1chにしている人がほとんどですかね。

ライブなんかのPAシステムも基本的には2ch(2.1ch)のシステムかと思います。

ステレオ2chはレフトスピーカーとライトスピーカーの二つの方向から音が出ます。

 

みなさん意外だとおもいますが、このL(レフト)とR(ライト)からの音を再生するというのは実はとてつもなく難しいのです。

 

何故ステレオの再生が難しいか

それを説明する前に、人間の耳の特性をざっくりアバウトに説明します。

※独学なのでちょっと間違ってたらゴメンなさい

 

人間の耳は左右についていますが、左右の耳が聴く音の違いで音の出ている位置を特定しています。

正面の音は、左右の耳に同じタイミング、同じ音量で聞こえているので正面と認識します。

左斜め前の音は左耳で聴く音が少し早く、右耳より大きく聞こえているため左斜め前から聞こえていると認識します。回析とかいれるとややこしくなるので割合します。

 

動物がまず危険を察知するのに使うのが音であり、人間も例外ではなくこの音の特定能力がとても発達しております。

 

このことを頭に入れてもらいつつ、ステレオ再生が難しい理由ですが、

それは、レフトスピーカーとライトスピーカーから出る音を左右対称にすることが難しいからです。

 

左右の音を対称にすることが難しいワケ 

バンドの音楽でも、ギターが左でベースが右でみたいな位置が偏っている物は問題ありませんが、ボーカルなどの真ん中で鳴らなければいけない音があります。

その真ん中で鳴る音をLRの2chステレオだった場合、左と右のスピーカーで音を真ん中に作らないといけません。

 

この左と右のスピーカーを使い擬似的に作られた真ん中の音をファントムセンターと言います。

 

このファントムセンターは左と右の音が全く同じタイミング、同じ音量、同じ音でやっと起こる現象です。

 

誰しもが想像しやすい音として、イヤホンの音を思い出して見てください。

ボーカルが自分の頭の真ん中、なんか目と目の間あたりの脳味噌あたりにいるように感じませんでしょうか。

 

楽器に関しては散らしている楽曲も多いので、左右で別れていると思いますが、ボーカルはちゃんと真ん中にいると思えるはずです。

 

イヤホンやヘッドホンはとてもこのファントムセンターがやりやすいです。

何故ならばスピーカーと耳の距離がほぼ無いに等しいので、やりやすいのです。

 

音は空気を伝わる波のような物理現象です。

あまり知られていませんが、温度、湿度、空気中の酸素や二酸化炭素なんかの成分の割合で音の伝わり方が変わります。その上、風や椅子などの障害物によっても左右され、屋内であれば壁や床天井から反射された音でも影響されます。

そして、それらが悪さをして左右の耳に入ってくる音に差ができます。という事は先ほど説明した人の耳の特性上、真ん中に音を感じるというのが難しい。

 

つまりどいうことかというと、

ものすごく極端な話ですが、スピーカーの配置を含めて、完全な左右対称の部屋でしかファントムセンターは難しいのです。

この左右対称には、壁や床天井の素材も入ってくるレベルです。

 

そのため、オーディオマニアの方達はルームチューニングだったけ?とかして、なるべく左右の差を調整してなくしたり定在波や残響とかを調整してファントムセンターなどの音が位置を持つ事を音像定位と言うのですが、その定位のためにがんばったりしてます。めちゃくちゃ金かけて。

 

ではなぜ、音を使う施設である映画館でも難しいのか

正直、家の方が簡単にできたりしたりするかもしれない(私の経験上)感じです。

 

・人とスピーカーが左右どちらかまたは前後に偏っているか離れている状態になる

・空間が大きい

・完全な左右対称の部屋が難しい

・お客さんが左右対称に座るとは限らない

・そもそも完全などセンターの席がない場合がある。

などの理由からファントムセンターというのは映画館ではとても難しいです。

 

最後に書いてある、センターの席がない場合があるという事の理由ですが、

高い周波数、つまり高い音ですね。になってくると数センチとか、数ミリとかの単位の音の波になってくるので、頭を少しずらすだけで音がずれてしまいます。そのため、左と右のスピーカーから左右対称の位置ではなくなっていくだけで成立しなくなります。

 

難しい理由の一部なんですが、そんな感じです。

 

そして声を大にして言いたい。

映画で2ch音源マジやめて。

 仕方ないですけど、エンドロールの楽曲は2chが多いです。主に邦画というか邦楽なんですけど。ただ最近ちゃんと映画用になってる場合も増えてきています。でもやっぱ2chとか2.1chが多いです。

洋楽って洋画で使われる時、ちょっとだけセンターも入っていたりそもそも5.1chに鳴ってたりするんですよね。たぶん映画用にリミックス?しているんだと思います。

 

エンドロールはまあしゃあないってなるんですけど、本編も2chステレオだと本当に厳しい。

 セリフは真ん中にいようとする音が入っているので、もうほんと泣きそうになります。

2chMONOとかいうクソ仕様、君もやめてほしい。

 

 ちょっと小難しい話だったのでここで一回切ります。

後編ではもうちょっと深く2chステレオについて説明しつつようやくジブリの話の続きに触れていきます。

 

引っ張るつもりなかったんだけど、結構文字数いってしまったので、、、

今回はCP650と違ってちゃんと後編につづけます。3〜4日後ぐらいの更新予定です。

 

ではまた。