映写雑記

映画館の設備視点

DLPとSXRDを比較したよ。

こんにちは、実はコロナに掛かってしまい暫く引きこもっていました。

今はもうかなり復調して隔離期間も終わり、職場にも復帰しています。嗅覚が0になってしまって少し大変です。

 

さて1月に職場の方でプロジェクターの入れ替えをしました。プロジェクターはバルコのRGBプロジェクターとフォスファーの二種類を導入し、SXRDは撤去する事に。

プロジェクターのインストールと少し使ってみての使用感を含めてSXRDと比較してみたいと思います。

あとSXRDを暇つぶしでバラバラにして遊んでたのでその時の写真も少し貼っておきます。

 

DLPとSXRDの比較

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RGBレーザーのDMD回り

さて、念願のDLPというか、DLP自体は少し使っていた期間もあるのですが、当時は僕もぺーぺーだったので、少し経験を積んだ今の僕なら少しはまともな使用感なりDLPの感想ができるはず。

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SXRDの液晶チップとかを掌るグラフィックボード

SXRDとの大きく違うなと思ったのは描画の方法ですね。
SXRDは画面中央から画面4分割されたものが外側に広がっていく描画になります。

DLPは多分、単板式と三板式とで違うかもしれませんが、多分瞬間的に画面領域全てを切り替えているんですかね?ちょっとここは良く分かりません。ディスプレイみたいな走査線方式じゃないとは思うのですが。

正直この描画の違いって映像制作のプロじゃない僕でもわかるのかなと思っていたんですが、やべえすげえ分かる。
SXRDで見慣れ過ぎていたのでDLPの描画に凄く違和感を感じてしまいました。

もちろん他所でDLPは何度も観ているのですが、実際自分の見慣れている環境で同じ作品を見比べると、あーって声がでるぐらいしっかり比較できました。他所だと見比べができないからね。

知り合いのアニメ制作のKさんはめちゃくちゃこのSXRDの描画が嫌いなんですが、まあ確かにアニメとはめちゃくちゃ相性が悪いですね。

あとやはり、フレーム事の切り替わりがスムーズなので画面の残像感が薄いです。この辺は市販の液晶テレビ等の特性と変わりませんね。

あとDLPは黒が綺麗にでるので、色の奥行が良く出ています。HDRかな?って思う感じの色になりますね。ここはDLPの強みですね。

ぶっちゃけ色に関しては黒以外はさほど驚く差は無いと感じます。この違いは光源の違いだからなのか方式の違いなのか、メーカーの違いだからなのか環境の違いなのか個体差なのかといろんな要因があるので、一概に僕の感じている差をSXRDとDLPの差だと言えません。というか一応、Rec.709の色域基準なのは変わらないのでそれもそうですねって感じ。

 

個人的に、実はSXRD若干アンチ派だったんですが、入れ替えてから「え、SXRDって実は結構優秀じゃん」とSXRD肯定派に変わった部分もあります。

その最たるものが、SXRDはモアレが出ない

いやぶっちゃけると僕、ずっとSXRD使っていたのでモアレという文化を知りませんでした。文化というか現象。そう、プロジェクター使ってる人からすると当たり前の現象であるモアレを知らない生活だったんです。それはSXRDではモアレが出ないから。

DLPはダメですね。7割ぐらいの感覚でモアレとの戦いになりました。

モアレの対策って主に二種類だと思います。
スクリーンを張り替えて、サウンドフォールの位置をずらすかモアレ対策されたスクリーンを使うというのが一つと、現場できる対策はフォーカスを甘くするです。
モアレはその性質上フォーカスを甘くすると軽減していき、どこかで消えます。
ただし画はぼっけぼけになります。

スクリーンの張替えはコストかかりますし、張り替えてもモアレは出るかもしれないので、スクリーンガチャをしないといけなく現実的じゃないです。
なのでフォーカスをぼかしてモアレとフォーカスの甘さの妥協点を探る形になります。
たまに、めちゃくちゃフォーカスがぼけている劇場がありますが、あれはモアレの対策だったと初めて知りました。各劇場によってフォーカスを優先するかモアレを優先するかの流儀があるみたいです。

 

DLPの良さはユニフォミティでの色ムラが発生しないという良さがあります。
だいたい4角の方から色ムラが発生します。いやほんとこれ結構な頻度で発生するんですよね。これから解放されるだけでも僕はハッピーです。

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SXRDの液晶チップとプリズムユニット

R320も優秀な部分がある

DLPがSXRDがという話ではなく、モデルの話になるんですが、SXRDのR320は使用されるレンズが大きいです。今回導入したDLPのレンズと比べると3倍ぐらい大きさが違います。最近のレンズちっさ、、、って思いました。
しかし、レンズは大きい方が画角調整の自由度が高いというメリットがあります。それとレンズの良い所と言われる範囲が広いため、映写角度や映写窓の位置による環境的デメリットに左右されにくいという良さがある事を知りました。

環境によっては今の現行機種のDLPたちよりR320の方が画郭という面では有利に立てる場合もあります。うん、実は優秀だったぞソニーごめんな。

ただプレゼンテーションCSの4Kを4Kというのは認めんぞ?

 

実際どっちがいいの?

クオリティ面で言えば一長一短なのでDLPでもSXRDもといLCOSでもどっちでもいいかなと思いました。設置環境で選ぶというのが正しいきがします。

 

次はレーザーとキセノンについて書きたいな?