映写雑記

映画館の設備視点

竜とそばかすの姫を映画館で楽しむコツ

お久しぶりです。ブログネタはいっぱいあったのですが、元気がなかったので更新してませんでした。

ryu-to-sobakasu-no-hime.jp

 

さて、今回は昨日より公開された竜とそばかすの姫という細田守監督の新作を、映画館で120%楽しむためには映写的にみてのコツがあるので書いていこうと思います。他にも書きたいネタの作品はあるんだけどね!

 

ではそのコツとは何かを先に言ってしまうと、

席は1/3より後ろでできれば中央を取った方がいい。

です。前派の人たちは結構つらいかもしれません。

次になぜかを説明していきます。

 

後ろ目の席がいい理由

この作品、映像と音楽が素晴らしいです。なので映画館はこの素晴らしさを皆さんに届けるために頑張りたい作品です。

しかし基本的に普通に見てもらっても楽しめる作品なのですが、一つ癖があります。

劇中の楽曲のメインボーカルがLRの2chなんです。センターにもうっすらいるんですが、うっすらなのでうっすらです。

なんでこれが癖なのかというと、座席によってのボーカルの音像定位のバラつきが激しかったり、以前ステレオ再生は映画館では難しい理由をブログで述べましたがまさに難しい状態になります。

 

achamiya.hatenablog.com

 

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雑な図で説明します。

映画館の前面には左からL,C,Rチャンネルというスピーカーが存在します。

 

スピーカーには音の軸と指向角度というのがあります。

図の赤い線がスピーカーの軸上とします。この軸上がスピーカーのナチュラルな音が聞こえる主軸のラインです。

黒いハの字の線をスピーカーの指向角度とします。指向角は簡単にいうと軸上ほどじゃないけど、ちゃんと音が聞こえる音のエリアです。

 

つまりどう言うことかというと、図の青い車線のエリアではLとRのハの字のエリアに入らないので音がちゃんと聴こえないと言うことです。

 

はい、竜とそばかすの姫はLRの音楽なので、青い車線のエリアだと美味しいところが楽しめません。

注意点、メインスピーカーの指向角度は平均的に結構広く、劇場の設計の段階でもカバーエリアは加味され設置されるのでこの絵ほどデッドスペースは生まれません。イメージしやすいように大きく書いただけです。

 

そして、この青い車線外だったとしても、LとRを合わせたファントムセンターのボーカルの音圧が適正となるため、席が左右どちらかに偏ると偏った側のスピーカーのボーカルしか聞こえず、顔が真ん中にあるのに声は左右どっちからか聞こえるという感じになってしまいます。

画のサイズがビスタならまだ誤魔化せるんですが、この作品、シネマスコープで横に広いのでちょっときついです。

 

しかーも!

ステレオ音源の難しさでも書きましたが、LとRのファントムセンターありきで作られてしまうとキャンセレーションが起きてる場合ちゃんと定位しない音がでてしまう!

だからボーカルがゆらゆらしたり聴こえない音が多くなってしまいます。

 

これらの現象は音響調整とかでなんとかなるモノではありません。

 

劇場によって適正なポイントは変わってしまいますが、まず前方1/3より後ろで中央よりの席であればまあ大丈夫だとおもいます。

めちゃくちゃ音の印象変わるので是非何度かリピートして席を変えてみてもらいたいという気持ちもあります。

 

よければ参考にしてみてください。

??「ベルの歌が聞きたいがために欲望さらして映画館の席取ゲームをはじめたまえよヒーハッハッハッハ」的な気持ちで書きました。

 

つか普通にCchにボーカル入れてくれればよかったんだが?

という個人的な意見もあります。

 

 

ではまた

 

ポンポさんがキてるぞ

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こんにちは、

今回は今日から上映がはじまった「映画大好きポンポさん」がとても良かったので皆さんに薦めようと思います。

 

挿絵は、あんまり人様のイラスト使うのよくないよなと思って自分で描いてみました。

ものすごく久々にお絵描きしましたが、お絵描きしたくなるというか、何かをクリエイトしたくなる熱を受ける映画でした。

なんどもグッと来るシーンもあり、自分のメンタルと重なるシーンも多くとても感情移入してしまいました。

 

ポンポさんがとても可愛いので、ポンポさんが可愛いだけでもう十分なんですが、登場人物がみんな各々に尖った魅力をもっていますね。

 

そしてこのポンポさん、映写としても観てて評価がとても高くワクワクできます。

ポンポさん自体は映画を作る人たち側の話なのですが、出てくる映画関連の物たちの描写が細かい!今まであっただろうか、、、35mmフィルムをあそこまでしっかり描写するというアニメが・・・そしてあの・・・あの・・・スプライs・・・

映写技師側としても観てて楽しいアニメ映画です。

 

そしてマイケル・●イに爪の垢として煎じて飲ませたい映画です。

 

あとランチア・デルタ愛を感じました。

 

緊急事態宣言が緩和されて、休業していた映画館も営業できるようになりました。

映画を何みようかなと迷っていたら、ぜひるろ剣も観て欲しいですが、ポンポさんを観てみてください。

1日1回、ポンポさんがきったぞー!のボイスを聞かないとダメな体になります。

 

ではまた。

 

日本の映画館で多い「SXRDプロジェクター」

こんにちは。

緊急事態宣言のおかげで職場が休業になってしまっています。

 

ほんとは割と手が空いているのでブログ書きたかったんですけど、長年蓄積された体の不規則な生活リズムを正常に戻すのに結構しんどい思いをさせられていて、気力がなかったわけです(なんだかんだ言ってますが単純にめんどくさかっただけです)。

 

今回は、映画館で使われているプロジェクターについて触れてみようと思います。

フィルム映写機については今回は触れません。

 

映画館で使われているプロジェクターは二種類ある

たいていの人は映画館といえば、フィルムをカタカタ回すフィルム映写機を想像すると思いますが、映画館もこの15年ぐらいでフィルム映写機は淘汰されてしまい、一部の映画館を除き、ほとんどの映画館はデジタルプロジェクターとなっています。大手チェーンのシネコンはもう全てデジタルプロジェクターじゃないでしょうか?

 

このデジタルプロジェクターですが、家庭用でも業務用でもシネマ用でも二種類のプロジェクターに分類されます(私が知らないだけで別の分類があったらすみません)。

DLPとLCOSというプロジェクターの二種類になります。

 

DLPとLCOSとは何かというと、映像の出力方式の違いです。

DLPはTI社の特許技術で、どのDLPメーカーもこのTI社の技術を使ってプロジェクターを作っています。DMDという機構を使っているのが特徴でしょうか。

LCOSはDLPとは違い、液晶の技術を使って映像を出力しています。

 

最近、流行りでよく耳にすると思いますが、レーザープロジェクターというのがあります。

あれは光の出し方がレーザーユニットなだけで、プロジェクターの種類としてはDLPかLCOS になります。

 

私が今現在に職場で使っているプロジェクターはLCOSのプロジェクターでして、今回はそのLCOSのシネマプロジェクターの代表メーカーでもあるソニーのプロジェクターについて触れていきます。DLPも少し使ってた事あるんですが、古の話なのであんまり覚えてないです。

 

ソニーのSXRDプロジェクター

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出典:https://www.sony-semicon.co.jp/e/products/microdisplay/lcd/technology.html

シネマプロジェクターのメーカーでLCOS方式を採用しているのは多分ソニーだけだと思います。そしてソニーの謎のプライド?で独自のLCOS技術であるSXRDを作り出して採用しています。「天下のソニーが他社の技術なんてつかうかばーや!」って気持ちだったんでしょうか。

 

ソニーのデジタルシネマプロジェクターは何種類かリリースされていますが、最新のソニーから出たレーザープロジェクターである815Pも含めて全てSXRDです。

 

日本だとこのSXRDプロジェクターのシェアが大きくて、大手チェーンは採用している箇所が多いです。TOHOとかも大体SXRD入れているところが多いですね。

ただし同じ映画館の中でもIMAXとかドルビーシネマとかはDLPになります。

 

SXRDプロジェクターの良いところ

SXRDプロジェクターを長年使って来て感じている良いところと悪いところをレビューしていこうと思います。

良いところは、DLPより色味が深いところにあると思います。

PCを自作したり自分で組んでる人だと分かりやすいと思うのですが、DLPはゲフォっぽいです。SXRDはラデオンぽいです。

 

黒色は液晶である以上、どちゃくそ苦手なのですが、他の色味に関してはDLPより発色が良いというよりは深いと思います。

最初はなんだこのポンコツとかちょっと思ってたんですが、しっかりした環境だとDLPより綺麗というか、厚みのあるよい絵を出してくれます。

よくSXRDは絵がダメだーという人いますが、おそらくそれはスクリーンの状態などが悪いためだと思います。好みはありますが、悪いプロジェクターではなく、しっかりとした良いプロジェクターです。

 

あとプロジェクターではなく、付随するサーバーの操作性が個人的にはとても良いです。

ドレミ、コダック、ドルビーと何種類かサーバーを触って来ましたが、ソニーのサーバーのUIと機能性が普段の業務にはとても優れていると思います。

 

後述の悪いところに比べると書いてある事が少ないですが、プロジェクターという映像の機械なので色にメリットがあるのは一番大事な事だと思っています。

 

SXRDプロジェクターの悪いところ

逆に悪いところになります。悪いところというとあれですが、ここは不利だなと思うところです。

まず一番に暗い。

映画館の映像って投影するための基準がありまして、白を映した時の輝度を14ftLにするという基準があります。同じDLPの14ftLと比べるとなんか分かりませんがSXRDって暗く感じるんですよね。

輝度を保つためのはずのシルバースクリーンにすると余計そう感じます。

暗くて不自然な場合は目視で輝度をあげてしまっています。上げすぎても良い事がないのでこの辺はランプや色味などの都合を見ながら感覚で調整します。

※プロジェクターではない部分で暗い可能性が出て来たのでちょっともう一度検証してみまs

 

次に描画速度が遅い。

液晶には変わりないため、アクション映画とか動きの速い映像でDLPよりちょっと不利です。

ゲームでいうところのDLPが60FPSでているのにSXRDは30FPSぐらいしか出てないのではと思う瞬間もちらほら。※シネマの基本フレームレートは24Fです。60FPSは例えの話です。

 

あと悪いところかどうかはわからないのですが、向き不向きの問題で、SXRDの描画方法は中央から広がるという性質上、アニメーションとちょっと相性が悪いかなと思います。

 

それから、相当運がよくないと、色むらの無い状態が作り出せない。

もう、仕様って事で諦めているんですが、SXRDの方式上どうしても画面フチなどにムラが発生します。色のムラに直結する部品に光学ブロックというのがあるのですが、個体値の良い光学ブロックはソシャゲのSSR引く確率(単発)ぐらいの確率であり、なおかつそんなに数を交換できる物でもないので、まあ期待値低いです。10年間でかなりの数の光学ブロックを交換してもらって来ましたが、1個か2個しかありませんでした。それでも運がいい方だとおもっています。

 

SXRDのよくあるトラブル

SXRDはちゃんと見てあげないと、すぐに機嫌を損ねる子です。

色のトラブルが割と頻繁に起きます。

 

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これは、プロジェクターでランプをオンにした時のスクリーンの状態です。

色ムラのようになっているなと思う人も多いと思いますが、ムラよりSXRDの場合この青さがダメです。

大体、黒味が極端に青くなってしまった場合は、先ほど出て来た光学ブロックという部分が経年劣化でダメになってしまっています。

けどこれ対応するのめちゃくちゃ大変なんです、、、光学ブロックはめちゃくちゃ高価な部品であり、交換自体もとても大変な作業でして、すぐに直せない場合もあります。

 

あとこれ

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四隅に色がついてしまっています。

このトラブルはこの中央がグレーなのですが、このグレーと同じ快調の色ででしか反映されないので、普段映像で見ている場合気付きにくいトラブルです。例えば、青空だとこの色ムラは見えません。薄暗い家の中とかだと見えます。見えますが、いろんな色が混在している事が多いので、映像とかその手の仕事をしている人でなければ基本あんまり気づけません。

白黒映画だと一発でわかるんですけどね。

 

こちらは色調調整で治る可能性が高いです。

 

以上の二つは私的な代表トラブルですが、他館様とかでよく聞くのは画面が黄色くなってしまったとかもよく聞きます。それは液晶チップのトラブルらしいですが、幸い私のところでは今のところ起きていません。

 

ちなみにこれらのトラブルはSXRDが悪いんじゃなくて、仕様みたいな物なのでそこは勘違いしないようにと思います。

DLPにも少なからず、DLP特有のよくあるトラブルがあります。

 

映画館に限らず、どの分野の仕事でもそうだと思いますが、使う機材のメリットデメリット、トラブルなどを如何にコントロールしてサービスを提供していけるのかがその道のプロだと思っていますので、プロですわってドヤ顔できるように日々精進して頑張らなきゃなーと思っています。

 

ノントラブルが一番いいけどね!!

 

ではまた。

 

 

 

ガルパン最終章3話について語りたい(ネタバレあるよ)

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こんにちは、初めに今回はネタバレあるので、3話を観てない人は見ない方がいいです。ネタバレ別に関係ないやって人は大丈夫です。

 

 

 

 

 

 

 

 

ちょっと前にシンエヴァに続いて、ガールズ&パンツァー最終章3話が公開されました。

 

ガルパン劇場版が劇場に音響監督自ら足を運んで監修するという文化?の始まりだったと思います。そこからドマイナーだった「いろんな劇場に足を運んで劇場の違いを楽しむ」というカルチャーが多くの人に知れ渡ったと思います。

 

個人的にも色々と思い入れの深い作品でして、音も含めてたくさん勉強させていただきました。社会経験的な意味でも色々と迷惑かけたり等苦い思い出が多いですが成長させてもらいました。

最終章1話の時なんて音をスタジオで作ってるところ見せてもらっちゃったもんね!!劇場版のBD収録修正(だったと思うけど記憶があいまい)の時もスタジオお邪魔しちゃったもんね!!!音響監督にあれこれ聞いちゃったもんね!!(唐突な自慢

 

とまあ、単純に作品が好きって以上に思い入れのある作品です。その3話が公開されて少し経ったので以前からガルパンについての想いや感想など語りてぇえなあ友達いねえなぁブログにしよって思ったのでブログにします。

 

感想とか

3話の冒頭の戦闘シーンからまず今迄と音が違うなとちょっとびっくりしました。

使われているSEとかの話ではなく構成の仕方です。2話とは大きくLCRのバランスが違っているように思います。

完全にアトモスを基板に作ってきたなって感じになっていて、2話とまるっきり違うので、あれこれ作品間違えたか、、、?と思ったぐらいの感想でした。

 

知波単との戦いで2話の最後の方と同じ試合なのに全く違う。。。

あと西さんかわいい。

 

サラウンドがグワングワン回ってるのは以前からでしたが、回り方が前後左右軸ではなく立体的というかアラウンドな感じになったという印象でした。

まこさんカワイイみぽりんのしかめっ面最高だぜぇええヒャッホォオ

 

続いて私大好きクルセーダーの登場シーンではローズヒップ愛されてますねデュフフですわとテンション上がりましたが、あのクルセーダーのシーンの過剰なLFEはもうなんか定番になってますね。

 

プラウダと黒森峰のシーンはなんていうか、音的にはいつものガルパンって感じを受けました。

カチューシャスパシーバマジ尊いッス

エリカ様のシーンは本当に良き。3話で一番好きです。

 

あとあれですね、良く以前から空気を読むエンジン音的な言われ方をしていますが、3話はいつも以上に空気読んでて静かすぎてちょっと焦るところもありました。

 

そして今回トリである継続戦ですが、カンテレのミカさんのあの戦闘曲。前回から凄くアレンジが入っていて鳴らすのがどちゃくそ難しいと思います。現に私の劇場でもかなり苦戦しています。劇場版の時も難しかったけど「いくぞ」の時は単純にSEとの共存が難しかったんですよね。というか改めてあの楽器の帯域を潰さず鳴らすのかなり難しいぞ、、、

ミカさんのカンテレになりたい。

 

4話早く作ってって感じでとてもよかったです。

 

 

さて3話の感想だったんですが、ガルパンで割と個人的なトップ3に入る思い出というか、ああそいう事もあるのかと勉強になった事の一つに、台詞やSEって全部聞こえてなくても良いという場合があるという事でした。

昔、作ってるところを見学している時に

「これセリフつぶれちゃうと思うんですけどいいんですかー」

「ここはいいよー」

っていう感じのやり取りを目の当たりにしたシーンがあります。

これはガルパンに限った話ではないと思います。

 

という事はこのシーンのセリフが聞こえてしまう場合は、作った人達の意図しない音で鳴っているという事になるという事ですね。

 

その事を知ってから、このセリフは聞き取れていいのだろうかとかという悩みも増えましたが、、、

映画音響ってむずかし

 

そんなことを思い出しつつ、先日なんとなくネトフリで最終章を見直していたんですが、洋画以上に劇場を意識してしまっているせいで、家庭環境での再生が全く上手くできない作品になっていました。。。うん、ガルパンはやっぱ劇場で見るべき作品だなと思います。

 

 

 

あとちょっと手前味噌な話なのですが、3話は今回初めて私主軸で劇場の音響調整させてもらったので楽しかったです。その場に音響監督が居たかどうかの違いだけで、他のスクリーンでも手間暇かけています。

以前からもそうしてましたけど、今回はメインでフェーダー握らせてもらったってのもありいつも以上に通常上映も監修してもらったスクリーンと同じクオリティでお出ししています。

本当はあんまり気にせずどのスクリーンでも観て貰いたいですね、まあ拍がついている方が人気なのはしょうがないですね。

あと機材のスペック差はどうしようもない。。。

 

最後はなんか自分の仕事話になってしまいましたが、日本全国いろんな上映がされているガルパンなので、是非映画館で観てみてください。

割と近いところに音響監督監修の劇場があるかもしれません。

 

ではまた。

 

 

 

 

映画館の座席の選び方

こんにちは。皆さんはシンエヴァ観ましたか?25年間お疲れさまでした。

 

さて、今回はいたるところでよく話題に上がってるのを見かける、映画館の座席の選び方についてです。

 

映画館で毎週の様に映画を観ている人は、あまり思わないかもですが、たまにしか観ない人は結構、どこ選べばいいんだろうって悩んでしまうと思います。

なので、選ぶときの一つの指標になったらなと思って書いていきます。

 

映画館の座席の王道ポジション

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いきなりブログを書き始めたのでボールペンの雑な手書きで申し訳ないですが、劇場を上から観た図だとおもってください。横線は座席のつもりです^q^

スクリーンの文字が左に寄ってるのも大目にお願いします。

 

さて、映画館の座席選びでは映像の見え方も大事ですが、音の聴こえ方の方が一番影響するので、音の聴こえ方を中心に説明します。

 

基本的な映画館の音響は、測定用のマイクを何本か立てて、そのマイクで測定した音を元にチューニングをして決めていきます。その何本かのマイクの中に基準になるマイクがあり、そのマイクの測定位置がその劇場のベースになっています。

その基準になるマイクの位置は、いわゆる映画館業界ではドルビーポイントとか言われていたりします。

 

そのドルビーポイントなるものが、上の写真の○で囲った位置ぐらいです。

だいたい劇場の前から2/3列の中央あたりがそのポイントになっている事が多いです。

 

この測定ポイントは、結構アバウトに決めるので神経質に測って選ばなくて大丈夫です。窓口やインターネット予約の時になんとなく真ん中より2~3列ぐらい後ろな気分で選べばいいです。

マイクを立てる時も測定の都合上ちょっと中央よりずらしたりする場合もあるので、絶対的に正確にはならないのです。

 

ドルビーアトモスとかIMAXはどうなんですかね?両方とも体感ではもうちょっと前の中央よりな席が主のような気がします。

 

とりあえず初めての劇場だった場合は私はこの考えを基準に選びます。

 

座席で変わる音の聴こえ方

いつも王道のポジションが取れるとは限りませんし、なによりその人にとってのベストな席がその王道のポジションだとは限りません。

音の聴こえ方の変化によって王道のドルビーポイントよりも、別の席の方がその人にとっては良い席な可能性もあります。

 

音は空気中を伝う物理現象で、スピーカーの設置状態から壁や椅子や人体などのさまざまな影響をうけます。

 

そのため席によって音の聴こえ方は全く変わります。

なるべく均一に聞こえるように設計とチューニングをしますが、耳からスピーカーとの距離が変わったり壁からの距離が変わるので、すべての席が全く同じ音というのは不可能です。

そして、距離や箱の形、壁の影響から来る音の問題というのは音響の電気的なチューニング、つまりイコライザーでは完璧に解決できません。建築的な対策を立てないと補正が難しいです。

 

音の問題とは、その席だと聞こえない音があったり、聞こえすぎる音があったりという現象の問題です。

 

これが厄介なんですよね

こちら側からすると、いや建築の構造上それはしょうがないんじゃが・・・というのもお客様からすると「知らんがななんとかせい」って話なので。

 

とまあちょっと話がずれましたが、席によって音の聴こえ方は変わるという話です。

 

そして、その聞こえ方の変化というは劇場の形や、壁の材質なんかでも千差万別なため実際に聴かないとどう聞こえるかというのは判断し難いです。

 

よく私は映画を観ながら頭を左右に振るのですが、それは左右のバランスを観るという他に、その席だと聞こえないor聞こえすぎる音なのではというチェックも含めて頭を振ります。高域の音って数センチずれるだけで変わるのでそれだけでもチェックになります。

※他のお客様の迷惑になるので、一般鑑賞中は止めましょう。試写テスト時のお話しです。

 

このように、ちょっとした変化で音の聴こえ方はかなり変わるので、ドルビーポイントな席が取れなかったからと言って落胆せず、好みな音を探す気持ちでいろんな席を試してみてください。

悪い方向に変わる場合もありますが、良い方向に変わってる場合も凄くあります。

 

出来れば同じ映画を何度か同じ劇場で観て、好きな席を探すのも一つの楽しみなのかなと思っています。

違う映画だと何が変わったのか分からないので、同じ映画ってのがミソです。

ただ同じ映画何度も見るのってちょっとしんどいですね。。。

 

私の話ですが、キツイ音はしんどい気分だなーって思ったときは結構前の方の席でみたり、ちょっとぬくぬく?まったり観たいなって時は壁際の席を選んだりします。

細かい理由は長くなるので割愛しますが、前の方で見るとスピーカーの高音域の軸上から外れるのでちょっと音がマイルドというかきつい部分が弱くなりやすかったり、壁際は低音が溜まる現象が起きやすいので、ちょっともっさりして寝やすい音になるんですよね(個人差ありなおかつ劇場によって違いもあり)

と結構選んで観ています。

 

一概に、ここで観ればこう聴こえる!というのは言えない事ですが、席を探す楽しみもあるよという事です。

注意点としては、自分に合わなかった席や、聞こえ方の違いによってこの席良く聞こえないからダメとかネガティブな批判を人に押し付けるのはまったく映画館を理解していないただのモブになってしまうので止めましょう。全ては物理法則と好みの問題です。

聴こえる事が制作者の意図している音の場合もあれば、聴こえない事が製作者の意図している音の場合もあるのです。

 

 

ではまた。

 

 

 

 

インタビューされました。

こんにちは。

 

なんと私がはてなさんからインタビューされたのが記事になりました。

https://blog.hatenablog.com/entry/2021/03/16/170000

 

 

綺麗な私がみれるので是非見てください。

 

コロナでメールインタビューになったんですが、メールで良かったです。

ここ10年ぐらい本当に人と喋らなかったので、会話が難しい人になってしまっていて、対面だとこんなに答えられなかったと思います(笑)

 

映画「ヤクザと家族」から学ぶ映画の画面サイズ

www.yakuzatokazoku.com

こんにちは、

 

今回は、ヤクザと家族という映画を元に思ってるほど認知されていない映画の画面サイズについて少し解説していこうと思います。

 

まずヤクザと家族ですが、

舘ひろしかっこよすぎですね。こんなダンディなおじさんになりたい、、、

個人的な好みでいえば最近の邦画の中でとっても好きな映画でした。

 

そしてこの映画は特殊な演出がありまして、映画の中で画郭が演出で変化します。

その演出が面白かったので、解説しつつ映画の画郭サイズについて説明していきます。

 

画面アスペクト比

ヤクザと家族の画面アスペクト比は、フラットといって、フィルム時代でいうビスタビジョン画面アスペクト比になります。

 

画面アスペクト比とはなんぞやって思うと思います。

画面アスペクト比とは縦横の長さの比率の事をアスペクト比と言い、

この映像は「横:縦」の比率で作られてますよーっていう仕様の事です。

 

先述したフラットとは1.85:1という横縦の比率になります。

スクリーンの大きさがどんな小さくても、どんな大きくてもこの横と縦の比率で映像が映し出されます。

めちゃくちゃ簡単に具体例をだすと、横が1.85mのスクリーンだったら縦は1mの映像になるよって事です。横が2倍の3.7mになったら縦は2mの映像になります。

 

よくテレビとかで16:9という数字を見ると思うのですが、それと同じ理屈です。

テレビが大きかろうと小さかろうと、テレビ番組はこの画面で映し出されるので、どんな環境でも同じ映像を観る事ができます。

ちなみにテレビの16:9を映画の分化に当てはめると1.78:1となります。

 

この画面アスペクト比は結構いっぱい種類があったりIMAX等は特殊なアスペクト比を使っていたりしますが、映画の代表的なアスペクト比は3つあります。

この3つを覚えておきIMAXとかは特殊だよって覚えておけばほぼほぼ網羅できます。

 

1、フラットサイズ(ビスタサイズ)1.85:1

2、スコープサイズシネスコサイズ)2.39(2.35):1

3、スタンダードサイズ 1.33:1

 

の3つが映画でメジャーに使われている画面アスペクト比になります。

 ただ3のスタンダードサイズは、白黒映画の時代などがメインのアスペクト比で、今は故意的な演出でなければ使われません。

2011年にアーティストという映画がありました。これはデジタル上映だったのですが、フラットサイズの中にスタンダードサイズの画を映すという仕様でした。

 

現行の映画では殆どが、フラットサイズかスコープサイズです。

 

ヤクザと家族の画面アスペクト比

先述したとおり、ヤクザと家族の画面アスペクト比はフラットサイズになります。

これはデータ上のプロジェクターのレンズはフラットサイズのレンズを選んでねという事です。

しかし、ヤクザと家族の画面は最初のうちはフラットの中にスコープサイズを映すという形になっています。

 

え、どいうこと?

 

ってなると思います。

普通のビスタサイズの画面をこちらとします。(アスペクト比はそれっぽいだけで正確ではない)

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この白い部分が本来のフラットサイズのスクリーン画面だとします。

 

ヤクザと家族の前半は次の様に映っています。

 

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赤い部分が黒味の帯となっていて、本来のフラットより上下が狭い画郭になっています。

 

映画を家で良く観る人であれば、なぜか上下に黒い帯が出るタイプの映画があるというのを観た事があると思いますが、それと同じ状態です。

 

ヤクザと家族の映像として使われているアスペクト比を測ってみたらだいたい綺麗にスコープでした。

 

何故この状態になるかというと、スコープはフラットより横長のアスペクトなので、映像全体を映すには、左右の辺で合わせるため自然と上下は画面内になってしまうためです。

 

いろんな映画館に通ってる人だとここで、あれでもこれよく見た事あるぞって思った人。

そう、IMAXやTCXといったラージスクリーンフォーマットと言われる、壁一面の映画館であると、常にスコープサイズの作品はこのように映し出されます。

 

一時よく言われていた縮むㇱネスコ(スコープ)という原因です。

昔からスコープサイズはフラットより大画面!という印象が強いアスペクト比なのですが、最近はラージスクリーンでは逆に小さくなってしまっています。

 

この演出のデメリットになるのですが、ラージスクリーンの映画館でヤクザと家族をみるといつものスコープサイズで観れるのですが、ラージスクリーン以外の映画館だと、フラットサイズの方が基本的に画面が小さくなっているので、めちゃくちゃ画面が小さく見えてしまいます。

制作の人たちがどっちを見据えて作ったのかは分かりませんが、好みがはっきりする演出ですね。

 

そして後半はこのような画郭になります。

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 左右が切れる画郭に変化します。

このアスペクト比はなんなのかちょっと私の方では分からなかったのですが、16:9に近い感じです。もうちょい狭いので、たぶんアナログ地上波時代ぐらいのテレビサイズぐらいだと思います。

 

心情とか情景描写の違いを画郭で表現していると思うとても面白い構成です。

 

映画作品だとよくアスペクト比を故意的に使う演出を行うものがあります。

映画のアスペクトサイズに関しては頭に入れておいて損はないと思います。

 

このブログで紹介した3つのサイズ以外にもかなりの数のアスペクトサイズがあり監督のコダワリで色々使われています。

演出を楽しむ一つの要素として是非覚えて貰えればと思います。

 

ではまた