映写雑記

映画館の設備視点

2025年の映画の音とか映像を振り返る(下半期)

前回に続いて去年の映画を振り返ります。
下半期です。

 

『ランデヴー(1976)』

eiga.com

去年上映した映画リスト見ていたら、入っていたので思わず入れてしまいました。
僕がどちゃくそ好きなやつです。僕は去年観ていませんが過去に上映した事があります。その時は『男と女』の先付短編として上映しました。
1976年の公開当時色々問題になったそうです。
まあ内容はそりゃそうよって思う内容で、パリの市街をただオンボード視点で爆走するだけです(たしか無許可?)。恋人?の待ち合わせ場所まで車が走るだけ。
フェラーリとなっていますが、実際は監督のベンツだったとかそんな話だった気がします。最高です。
車好きは必見です。
僕の所で上映した時はエンジンサウンドに命を懸けすぎて本編の『男と女』の前に耳が大変な事にしてしまった失敗もあります。タノシカッタナ!!

ヒックとドラゴン

hic-dragon-movie.jp

2010年に3Dアニメーション映画として上映した物を当時の監督本人がセルフ実写化した物になります。内容はほぼまんまその通りです。
ただ、アニメ作品の実写化ってこれが最適解なのではと思うくらい監督本人自ら担当したのもあり安心して観られました。

アニメの方も素晴らしい映像と音でしたし、だいぶ3D上映がメジャーになって初期ころの3D作品だったにも関わらず3D効果も素晴らしい使い方だったと記憶している作品でした。
なのでとても期待して待ってたら、やっぱすごいクオリティでやってきましたね。
アニメーションにしかできない表現があるのと同じように実写にしかできない表現を織り交ぜて作られてるなと感じました。その差分を考えながら観るという楽しみも。

空中の覇者になった気分になれるサウンドと映像のデザインでした。

プレデター バッドランド』

eiga.com

プレデターシリーズですね。予告観たときにはゲームのデスストを思い浮かべました。今までにないイケメンプレデターでした。
映像はちょっとゲームライクな作り方している気がすると思っていて、演出とか流れもなんかゲームを進めている感じで面白かったです。映像もかっこいいと思いましたが、音がとにかく凄い。
とんでもねぇ解像度を感じる音でめちゃんこ綺麗な音でありながら、ハッタリ効かせる時には笑っちゃうくらいのLFEでした。IQ3になります。好き。
スカイウォーカーランチでクリード見せてもらった時に、ウチで上映した時そんなにLFE出てなかったよ!?つまりワールドワイドだとSWのパワー足らない!?っていう衝撃があったので海外的にはきっとこれは正しく、なんならまだ足らないくらいなんだと思います(※バッドランドはスカイウォーカーサウンドではないと思います)。

『羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来』

luoxiaohei-movie.com

ロシャオの1も中国アニメの凄さに震えましたが、今回は更にパワーアップしてきました。音に関してを1の字幕版と比較すると、音が丁寧になったと思います。1の元気な荒さが前面に来ている音も良かったですが、映像のマットな作画に合わせて、音もマットに暖かくなったかな?という印象です。
映像もスコープサイズでとてもダイナミックでアーティスティックな構図が多く見どころ満載です。最近の映画館ではフラットサイズの方が大きく観える映画館が多いですが、横長のスコープサイズの方が個人的には大画面を感じて映画ぽさを感じて好きです。

吹き替えの日本語担当は1に引き続き岩浪さんだったので、吹き替え中心で岩浪さんと劇場での音響調整しましたが、吹き替えのセリフ音声の質感も1の時からだいぶグレードアップした感じで調整もやりやすかったです。1の時はちょっと花澤さんと松岡さんの声が難しかったんですよね。今回は花澤さんはもちろん他の声優さんたちの声も良いので声に整音のリソースをあまり割かなくて済んだためにかなり全体的に綺麗に仕上げる事が出来たなと思っています。
こちらも岩浪さんとの作業で色々と勉強させていただきました。岩浪さんは劇場の音を大切にしてくれる方で、思った通りにやらせてくれるのでのびのび作業できました。

『わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?)ネクストシャイン!』

www.watanare-anime.com

映画として括っていいのか若干迷いましたが、音が面白かったので印象に強く残っています。
元はステレオ2chをアップミックスしているそうですが、ASMRシーンではPrologicで崩したり構築したり(山口さん本人談)で位相を上手くコントロールしてステレオ音源が凄いASMR音源かのようになっていました。サラウンドが綺麗に成立するスクリーンでの効力が凄かったです。
BLAME!の時から思っていましたが山口さんはこの辺りの音の使い方が凄い方だなと思っています。ReCREATORS一挙上映やりたい(´・ω・`)

あと地上波だとOPとEDが本編よりレベルが小さくなってしまうラウドネスの関係する問題がある作品が多い中、OPとEDがしっかりしてて良いなと家で地上波観ていた時も思っていましたが、劇場で流す時もお陰でメリハリ出て助かりました。ラウドネスのルールにあまり左右されないはずの劇場版の長編アニメーションでもOPやテーマ曲がやたら小さく聞こえる作品も多いので、こういった風に適宜ちゃんと音が入っているとアニメ映画はやりやすいですね。

『MGA MAGICAL 10 YEARS ANNIVERSARY LIVE FJORD ON SCREEN』

mga10years-film.jp

Mrs.GREEN APPLEのライブフィルムです。
お客さんの入りは芳しくなかったのですが、映像も音もすげーハイクオリティでした。
邦アーティストのライブフィルムって良い物が少ないのですが、これはとても素晴らしい映像と音で、これ観に来ないのもったいないなと思ってました。
音で感動したのは、映画館という劇場での音とライブ会場の音との差を理解しているうえで映画館でのライブ会場のサウンドの構築されていると感じました。
作った方は映画の音にも精通しているのではないでしょうか。
多分、録音からも全部同じスタッフたちが携わっているんじゃないかな。
でないとあのクオリティは出せないと思いますが、どうなんでしょう。
映像も4Kの美麗な映像で、下手したらリアルで観てるより綺麗なのではと思う感じでした。
ライブフィルムはこのクオリティでみんな作ってくれると嬉しいなぁ。

 

ズートピア2』

eiga.com

めちゃくた楽しみにしていたズートピアの続編です。

動物の習性やしぐさの動きを二足歩行にしたうえで上手く取り入れたモーションや表情とかがとにかく凄い可愛い。
色使いや構図や魅せ方はディズニーアニメの安心安定の超クオリティ。
音は1からちょっと性格が変わったな?と思ったらスタッフが違いましたね。
それとこちらもアトモスがベースとなっており、全体的にアトモスだなって感じるサラウンドを重視した造り方という印象です。
全体的にさすがだなとめっちゃ良いと思っていますが、時々サラウンドにBGMがメインで振ってあるのはちょっと好きじゃないなと。
理由としては映像はスクリーンで進行しているので視覚はスクリーンの中に没入しているところで聴覚は、森の中とかで天敵や危険を音で察知した時みたいに意識がそっちに向いてしまい、没入が一度キャンセルされるので好きじゃないんですよね。
鬼滅の刃の無限城編のOPでも似たような事やってましたが、アトモスは音楽をサラウンドに振るがベターなんでしょうか。
単純に僕の感覚が古いのかなとも考えましたが、どうもその演出でよかったと思った事がないので、難しい所。
とネガティブな部分もありますが、それを置いても2025年のTeir1勢と思っています。

『バーフバリ エピック4K』

baahubali-movie.com

バーフバリの前後編をまとめて4Kにした物です。
オリジナルの音とちゃんと比較してはないですが、ちょっと音変わった...?
インド神話の壮大過ぎる壮大さに負けない映像と音です。
そして3時間弱あるのに耳が疲れにくい!ちゃんとプレッシャーかかるところは凄いダイナミックな音が入っているのですが、静かなシーンでは音を凄い減らしていて、大抵普通の映画では日常シーンでも空気感や暗騒音のためにサラウンドとか実はちょっと鳴っているのですが、大胆にサラウンドを一切鳴らさないシーンや、音数をちゃんと選んでいるのか無駄な音が省かれているお陰であまり聞き疲れしないという作り方になっています。これはオリジナル版でもそうでした。

 

 

さてさて、こんなものかな。
本当はエディントンとかウェポンズとかもあるんですが、まだ通してちゃんと観れてないんです。仕事上で必要な分は観れてますが、しっかり全部観れてない。
だから今回は外しました。
あと、公開リスト見ていると自分が観てない映画で多分この映画音良さそうとか思う映画もちらほらありますね。本当は全部観たいんですがね。もう新作であっぷあっぷです。
技術的なブログも何か増やしたいなぁ。中途半端になっておる。ネタはいっぱいあるのですが表に出せない^q^
解禁できれば毎日でもブログ書けますけど人生おわっちゃう・・・
まあまったりやっていきましょ。

 

2025年の映画の音とか映像を振り返る(上半期)

新年あけましておめでとうございます。

晦日、元旦と普通に映写業務なので特に特別感がない悲しい感じですが、今年も頑張って映画館で映画を上映していきます。

さて、年越しする前にやっとけよって思いますが、今年はどの様な映画に出会えるかワクワクしながら、印象に残っている昨年の映画の音とか映像を振り返っていきたいと思います。

書いてたらくsssssssっそ長くなっちゃったので上半期と下半期で分けます。

個人的な感想をぐだぐだと書き綴るだけですがご容赦を。
順番は公開順です。

Ryuichi Sakamoto | Playng the Orchestra 2014』

www.wowow.co.jp

 

まずは坂本龍一の2014年のコンサートライブフィルムです。
ライブフィルムの中でも屈指の音の良さではないでしょうか。元はステレオベースだと思いますが、上手く5.1chにアップミックスされており、空間がちゃんと広がります。音質も丁寧にとても解像度の高い音が入っていました。ここまで解像度が高いならリアルのホールの音としてはバスはもう少し欲しいかなと個人的な気持ちはありましたが、本当にすごく綺麗な音でした。目を閉じるとオーケストラが見えると思えるくらいでした。映像もめっちゃ綺麗だったので目を閉じる事もなかったですがw大拍手でした。ディスクでもこのクオリティで楽しめるなら買おうかな...

 

ジュラシック・パーク 3D』

僕の映画館は3Dできないため上映していないので24年にやった2Dでの話です。
ただ触れておきたいくらいのクオリティだったので触れておきます。本当に1993年の映画とは思えない音と映像でした。映像のリマスターが凄すぎて現代の映画かなと思うレベルで綺麗でした。音は当時で初のDTSデジタル作品であり映画の技術史でも歴史的な作品でもあります。とはいえ30年以上前のマスターでしょと思っていましたが、全力で舐めた事を土下座しました。本当にすごいサウンドクオリティでした。

『ザ・ルーム・ネクスト・ドア』

eiga.com

ティルダ・スウィントンが相変わらず美しすぎる...という気持ちで観始めたのですが、音の使い方が本当にすごい。楽曲の音質もめちゃくちゃ良いというのは当たり前ですが、音楽による心情描写や音による空気感の造り方が本当に良く、役者の演技と一緒に芸術的にストーリーテリングをしていて無意識に作品に没入させてくれます。
というか楽曲の音質が本当に良かったなぁ

『野生の島のロズ』

gaga.ne.jp

安心信頼約束された凄いクオリティと勝手に思っているドリームワークスのアニメーション映画。
今回もピクサー同様に前の作品でこれ以上もう作れないでしょって思わされたのにこいつら超えて来やがったよっていうくらいの映像と音でぶん殴られた記憶があります。
良く見ると油絵みたいな絵になっている作画と、エンタメ要素もありますが、しっかりと作られてアニメーションという空想の世界をリアルにさせてしまったサウンドデザイン。サラウンドとはこいうことだよ!!って納得させられるくらいに凄かったですね。
映像だけが凄いとか音だけが凄いとかではなくて両方ちゃんと凄いです。

『Flow』

flow-movie.com

アニメーションが続きますが、『Flow』も凄かったですね。
猫の視点での大自然の中での音がしっかり考えられて作られていながら、遊び心ある音使いが見ていて楽しかったです。
7.1chでありながらアトモスを感じられる天才的なバランスだったような覚えがあります。

『セッション』

gaga.ne.jp

『セッション』自体の公開自体は2015年ですが、4Kリマスターが上映されました。ぶっとんだ内容にぶっ飛んだ映像にぶっ飛んだ音というぶっ飛んだ映画です。
この映画、ドラムという楽器がメインなのにほとんどSWの0.1chが使われずに使われててもやたら信号が弱いので、メインスピーカーのLowの性能で戦わされるので映画館によってはかなり苦しい上映だと思います。そういった意味でも面白い作品でした。
まああと何度見ても面白いよね。

『岸部露伴は動かない 懺悔室』

kishiberohan-movie.asmik-ace.co.jp

この作品はとても勉強になる作品でした。
縁あって音響製作をされた高木さんと劇場での音響調整をさせてもらったのですが、とあるシーンでLowがいない!と言われて、「え、うちのシステムでLowが出てない…?」って思ったのですが、メインスピーカーで30Hzが入っており、たまたま上映したスクリーンだと70Hzまでしか下が再生できなかったので、悔しい思いをしました。
言い訳をするなら各スピーカーがフルレンジとして求められるのドルビーアトモスでも50Hzまで出ればいいんだよ!って言ってるのでメインスピーカーで30Hzはかなり厳しい!w

別の30Hzまで出せるスクリーンに移した時はちゃんと出てました。
これは結構実はあるあるで、逆パターンもあります。スタジオがLow出ないシステムで、再生されないので、作るときに処理が甘くなって映画館にきたらボフボフしちゃうというパターンもあります。セリフで多いですね。
調整のやり方も含めて良い勉強になりました。

『国宝』

kokuhou-movie.com

書いててびっくりしたんですけど、『国宝』まだ上映中なんですよね…w
これ6月の公開だったんだ…w

こちらも岸部露伴と同じように音響製作された北田さんと劇場での音響調整をさせてもらいました。
製作者事に音の掴み方や表現のとりかたが全然違うのでとても楽しいです。
『国宝』の音響調整でも僕が普段とらない手段で音のアプローチを試みるので一緒にやっていてとても勉強になりました。
いつも北田さんの音のダイナミックさにとてもびっくりしますが、今回も凄かったです。

『罪人たち』

eiga.com

僕、映画をいっぱい観るこの仕事やってるんですけどホラーが本当に苦手なんですよね。
なのでこの作品ちょっと?ホラー要素があるので怖かったんですが、うわxっっすgっげぇえって感情の方が上回っちゃうくらい音も映像もかっこよかったです。

とにかく音の使い方のセンスが凄い...僕が勝手に思っている映画に必要でしょと考える音作りの基本がちゃんと高い次元であるのは当たり前なのですが、その上でとても音で観ている人の感情を操るのが上手いなと思った記憶があります。

全体的に暗い映像なので、輝度とキャリブレーションをしっかりしてコンバージェンスもばちっとしてないと奥行がつぶれてしまってせっかくの美しい映像が台無しになるので投影の方も襟を正す気持ちの作品でした。

『F1(R)エフワン』

eiga.com

車好きとしてはとても楽しみにしていた映画でしたね。

音楽の使い方のカッコよさもさることながらフォーミュラーカーのエキゾーストサウンドやメカニカルサウンドへのこだわりが凄かったです。

嘘も多いのですが、本当にフォーミュラーレースを体験しているような音作りで普通ならただのエンタメサウンドを映画の演出にしちゃっているのが凄かったです。
ただ音作りが完全にドルビーアトモスをベースとされているなとわかってしまうので7.1chまでしかできない僕の劇場ではちょっと役不足だったなと思いました。
アトモスで観たかったなぁ...

 

以上が上半期で記憶に残っていた作品です。

他にも語りたい作品はいっぱいあったとおもいます。
まあ観てない作品もいっぱいありますが。てか1年の映画の公開本数多すぎでは...w

次は下半期です。近日中にアップします。

映画館でラージモニターは使えるのか

スタジオやホームのシステムと映画館のシステムの互換性って気になるよね。
と思っていたところ、色々なタイミングや理由が重なりGENELECさんが色々と協力してくれて、映画館の劇場でのスタジオモニターの再生テストをしてくれる事に。

GENELECさん本気の準備してくれました。フットワークの軽さ凄い。感謝しかねえっす。

 

 

機材の選定

スピーカーやアンプ、DSP等の選定に関しては完全にジェネさんにお任せしました。
ラージモニターとはいえスタジオ想定のスピーカー達なので、劇場は小さめの劇場を使うという事以外は映画館の環境そのまま使う感じ。設置は仮設だけどね。
スピーカーは

Cch 1234AC
LR 1234A
Sur 1238A
SW 7382A

錚々たる顔ぶれです。他DSPとかそいうのは忘れちゃった。

音源はDCP音源を出力します。なるべく劇場設備とイコールコンディションでと思ったので、シネマサーバーのAES/EBU出力をCP950で受けてアナログアウトまで同じ環境使いを映像もそのまま出るようにしてあります。

 

映画館でホーム基準のスピーカー設置

まずジェネさんの機材を持ち込むにあたり、劇場の寸法を元にスピーカー配置のシミュレーションをして劇場でのスピーカ配置を決めてくれました。

いわゆるITU-Rの推奨配置というやつがベースです。僕はその辺知らんのでほーんそんなのがあるんだなと。

一般社団法人 日本オーディオ協会 | ネットワークオーディオ/ホームシアター | 楽しむ | ITU-Rスピーカー配置は絶対か?

なんかこんなやつ
円をガイドに配置するようです。元はスタジオの推奨配置の考え方らしい。

フロントスピーカーは写真の通りの設置です。
サラウンドスピーカーは斜め後方に設置する感じになりました。
5.1chのスピーカーシステムとなります。

映画館のスピーカー配置もそこそこ推奨ルールがあったりしますが、雰囲気がそこそこ違いますね。

 

音のチューニングと音源

今回はXカーブやチャンネルの音量バランスをそのまま通常の映画館のBチェーンと全く同じ要領で作ったのと、ベースのシステムチューニングはGLMを使用してのオートチューニングと人の手を合わせてでのシステムとしてのチューニングを行いました。

GLM - ジェネレックジャパン
XカーブありとGLMのチューニングのみとの聞き比べもしました。

今回の音源はシネマサーバーからのDCPコンテンツ再生で、普通に映画です(色々な都合上タイトルは伏せます)。
Blu-rayとかではないので、ホームシアターでガチもんの音源を再生するという感じのニュアンスになるのかな。

これは一般家庭では再現不可能な実験だと思います。
映画はディスク化される時にほとんどの場合で家庭で問題なく再生できるように再調整された音がパッケージされているので、映画館で使っているDCPとディスクでは全く別物と言える程に音が違いがあり、邦画洋画全ての映画に当てはまります。
一部ガルパンのように劇場のデータに近いままでパッケージしてくれている作品もありますが相当レアです。

いつかディスクとDCPの聞き比べ実験したいと思います。BDプレイヤーによる音質の変化をどうするかという問題があるのですが...

 

実際に再生してみた結果

セッティングが終わり、実際に再生してみました。
結論としては、全然上手く鳴りませんでした。スピーカーの音は良かった。さすがのジェネさんです。問題は空間の違いですかね。

やはりシステムのスペックの想定スケールの違いが大きくでてしまった感じ。
パワーとカバレッジがどうも環境にマッチングしない。
ラージモニターだけあって、そこらへんのシネマモデルのスペックとあんまり遜色ないと思うんだけど。

スペック関係なしに根本的にITU-R推奨配置ってのが全然使えん。
これ家でもたぶん僕自身は使わないと思う。必要なのはスピーカースペックと環境に合わせた配置と設置とセッティングですね。

再生音に関してはGLMのチューニングだけで再生の方が音が良かった。あとジェネさんも想定していなかったGLMの面白い特性も見つかったり。
Xカーブを入れるととてもポンコツな音になってしまい映画の音でも無いなんか変な音だったなど色んな収穫もありました。

結果としてはもっと小さい箱じゃないと難しいなと思ったけど、ジェネの本国では同じ1234が採用されてる映画館もあるので、使い方次第なのは間違いないとは思う。
Luxury Finnish Lounge Cinema Chooses Genelec Loudspeakers - Genelec.com

この辺の結果からのガチ考察や対応策とか考えはそのうち読ませる気が全くない有料記事とかやりたいと思ったのでそっちで書きたいと思います。本音はお小遣い欲しい

以前から映画館の知識を元にホームシアターに落とし込んだ事をやりたかったので、今回の実験は逆視点からのとても良いデータが取れたと思います。
映画館の良いところをホームに落とし込むアイデアが色々と浮かんできました。

またこいう実験やりたい^q^

 

めちゃくちゃ色んな業者さんたちが手伝ってくれてできた実験でした。
あざました。

 

歴代興収が更新されるたびにやっぱあの映画は異常だと思った事

こんにちは。
久々のブログです。本当は映写ネタもあるんですが、別の事が書きたくなったのでそれを書きます。

先に言うとエビデンスがあるわけではなく現場の状況から読み解くみたいな感じなので本当にそうなのかは保証ないです。あまり真に受けないでね。

 

鬼滅の刃 無限城編第一章」が日本の映画興行収入のTOP10に食い込む

(’A`)。0(あかざが変換できん)
もの凄いスピードで映画の興収TOP10内に入った無限城編第一章。
皆知っての通りですが、無限列車編は歴代堂々のぶっちぎり一位ですね。
難攻不落ではと勝手に思っていた「千と千尋」から100億弱も離してのぶっちぎりです。公開一か月くらいの2025年8月11日のランキングデータで既に無限城編第一章も6位。

歴代ランキング - CINEMAランキング通信

無限城編第一章が更に上振れて2位に入ったら第三章までTOP4が全部「鬼滅の刃」という事も起きそうですね。
シリーズ物ってシリーズを増すごとに大体7~8掛けくらいの動員数になるという事がほとんどなので、1~3章が全部綺麗にランクインは現実的には難しいかもですがそれでも3章まで全部TOP10は入っちゃいそうですね。

1章がこの勢いが衰えずで、どうせ長期間上映させられるのでこの勢いが緩く落ちていく程度であれば無限列車超えも視野に入ってきますね。
ちょっと色んな界隈で荒れそうw

なんでこんなに興収が爆発的だったのか

正直、僕はこんなに大ヒットすると思っていませんでした。
無限列車の時はコロナ禍だったのもあってちょっと特殊ケースだったというのもありましたし、世間が鬼滅のコンテンツにまだこんな熱量があると思っていなかった...

今回の無限城は鬼滅自体の人気もありますが、それ以上に少し力業だった事も大きいんじゃないかなと思っています。

まさかのほとんどの映画館で全スクリーンで上映というお祭り騒ぎ

いやまあ動員の見込みからの割り当てなので妥当だと思うんですが、他の作品もあるんだから他の配給さんブちぎれてもおかしくないと思うんですよこれ。

どう思ってるんですかね。

鬼滅様のお通りじゃぁっていう感じでだいぶ他作品は公開時期とかいろんな忖度で影響あったと思います。たぶん。

この回数を回すならせめて2時間にしてほしい...という気持ちもありますね。
無限列車の時も似たような感じだったんですけど、あの時は公開延期とかで他に上映できる作品も無くて映画自体が凄い少なかったんですね。だからできた回し方だと思っていたら、まさか今回も同じくらいの回数回すとは...と驚きました。

近年の映画で興収ランキングが更新されると「アイツ」はやっぱ異常ではと思う

タイトル回収ですが、この興収が更新されると無限列車の時もちょっと思っていましたが、やっぱり『千と千尋の神隠し』が異常だなと。あと『タイタニック』もだいぶやばいなと。

何故かというと、この映画達は公開当時は35mmフィルムなんですよ。
千と千尋は一部の映画館ではDLPでのDCP上映があったようです。
まあ10館程度なので誤差かなと。それと当時のDCP環境は今ほど簡単じゃなかったはずと思います(15年ほど前に使っていたDLP機材から考えると)

どうして其れが異常に思うにつながるかという説明をします。

同時に上映できるスクリーン数が限られる

まず第一に一つの映画館で上映できるスクリーン数が限られます。
何故かというと今の映画はDCPなのでデータ上映です。そのため全スクリーン、例えば10スクリーンで上映するにもボタン一つくらいのニュアンスで凄く簡単です。
元のデータが一個あればいいので。HDD一個が送られてきて200GBくらいのデータをTMSにインジェストしたら、後は各スクリーンのSMSにコピーするなりして終わりです。

35mmフィルムはそんなわけにはいかないのです。
10スクリーンしようと思ったら10本の本編フィルムを送ってもらわないといけないのですが、そもそも全国ロードショー映画で一館に10本も送ってたら現像所が蒸発しますたぶんwアニメなんてどうせギリギリまで作ってるんだから
上映後の在庫処理も大変なんじゃないかな、今度、現像所に詳しいというか務めてた人に聞いてみようと思います。

映画館も大変です。1タイトルで10本も来たら保管庫あふれちゃう映画館も多いと思います。ウチは溢れます。
映写室も巻き取りしたリールの保管で溢れちゃう...

あと公開一週間前くらにフィルムって来るのですが、そこから10本も編集とか狂気の沙汰です。編集だけなら5本くらいまでなら対応できると思いますが。

映写機自体は回すことに変わりはないので大丈夫なんですが、保管場所の問題がとても大きいかなと思います。

ただし!一個だけ解決する方法がありまして、ノンリワイドの映写機に備わっているインターロック方式です。これで上映している映画館もあったんじゃないかな。そこはいっぱい上映を回せたかもしれない。

インターロックとは一本のフィルムで複数の映写機で上映する方法です。
インターロックをやった事ある人はみんな口をそろえてもうやりたくないって言ってました。事故率がとても高いらしい。いやまあ仕組み観る限り絶対事故ると思いましたw

僕の映画館は縦巻き全自動映写機でノンリではないためこの方式は使えません。

まあそんなこんなで、同時に上映できるスクリーン数を確保できる映画館は少なかったと思います。少なからず今回の鬼滅みたいなブン回しはできなかったかと。

ちなみに、うちの映画館での公開当時の上映スクリーンは何スクリーンだったの?と聞いたら、1スクリーンだったらしい。

1....

フィルムは物理的な制約がうまれる

次にフィルムは物理的な制約が生れるです。
まあ保管問題もそうなんですが、フィルムは上映しているとどんどん擦れて劣化していきます。映像も汚くなりますしAC3とかのデジタルサウンドだった場合は読み込み不良が起き始めてアナログサウンドに切り替わってしまいます。

そういった事をなるべく抑えて延命するためにフィルムの清掃メンテ等を定期的に行います。これめっちゃ大変で時間取るので同じフィルムが同時にいっきに来るとメンテタイミングが全部被り、想像するだけで胃もたれします。

上映期間が長くなればなるほど劣化が進むほど、気を使うためメンテは大変になります。そしてある程度擦るとフィルムの交換が必要になります。

僕の映画館では千と千尋は9か月上映してフィルムは一度交換してもらったと言ってました。

そういった物理的な劣化が前提となっているメディア形態なので、おいそれと責任を負って何本も借りて上映するというのは厳しいです。

 

他にもこまごまと色んな35mmは弊害はあります。
なので近年のDCP上映でのように興収を爆発的に稼げるようなブン回しは難しい時代だったなと思います。

僕の映画館なんて9か月も回したとはいえ、1スクリーンでしたからね。

2時間5分で予告入れると一日6回上映が良いところです。
当時は映画館で映画を観るという文化がまだ根強かったというのも改めて感じます。

さらにそう考えると『タイタニック』はあのスーパー長尺であの興収はやっぱヤバいですねw

映画のチケット代が今より安い

これはあまり詳しくないですけど、今って普通にチケット買うと2000円~2200円しますよね。イオンとかだと1800円のままでしたっけ?

そうすると割引とか使ってる人もいっぱいいますが、全体的な客単価は増えてると思うんですよね。適当かは分かりませんが、実際にちょっと前にTOP10入りしたくらいの興収と動員数をわったら1400円超えくらいの単価でした。
千と千尋は発表されている数字が本当なら2350万人なので316億を割ると1350円くらいで、やっぱちょっと単価低いんですよね。
これだけの人数が動員されているので50円くらいの差も凄い差になりますよね。
そんな時代にこれだけの数字をたたき出したのはやっぱ凄いと思います。

 

まとめ

まあそんなまとめる事もないんですけどね、35mm上映だった映画が未だランキング上位として君臨しているのは上映回数が今みたいに稼げなかったり時代の違い的にもやっぱ凄いなと改めて思いました。
それに、他の映画も満遍なく結構入っていたので今みたいに1タイトルだけやたら入っているという状況でもなかったですね。僕が映画館に入ったころでさえ土日は全てのスクリーン全ての作品が終日満席近くまで埋まっていたというのは良くありました。
今はというかここ数年そんなの観た事ないな...


記録は更新されるものなので、鬼滅みたいな凄い作品がもっと出てきてまた皆が映画館に通うようになり興収ランキングをどんどん更新していってほしいですね。

レーザープロジェクターと眼鏡の相性

はいこんにちは。

今回はちょっとレーザープロジェクターと眼鏡のお話です。

 

最近、視力が落ちて眼鏡を作りました。
そして、以前から言われていた事があります。
レーザープロジェクターと眼鏡は相性が悪いと。

せっかく眼鏡作ったので自分でもどうなのか検証したり、いつもお世話になっているエンジニアさんに協力してもらいいろいろと実験してみました。

レーザープロジェクター視聴時での眼鏡の弊害

レーザープロジェクターの映像を眼鏡で観たときにはどういった事が起きるのかという現象を知っている限りでピックアップしてみます。

・色が滲む

・虹色っぽい色が見える

・色が変になる

良く言われているのはこの辺りだと思います。

 

色が滲む

これは色収差の事です。おしゃれなイラストとかで輪郭線が赤緑とかの二重線になっているあれです。イラストは表現ですが写真とかでも起きる事で、アーティストさんとかだとわざとそうした表現をする事がありますね。
あれが起きます。眼鏡の縁辺りで良く見受けられるようで、度が強くレンズの球面が激しいレンズで起こりやすいようです。

今回僕が買った眼鏡のレンズは安価とはいえ平面レンズだったためか、この色収差を自分で体感する事はできませんでした。ただ視聴角度などの条件が合えばもしかしたら起こりうるかもと思います。

 

虹っぽい色が見える

これはあまり詳しくわかりませんが、僕の後輩が眼鏡かけてると良くなるらしいです。理由はよくわかりませんが、コーティングや乱視用とかそいうので影響されてそうですね。

 

色が変になる

そのままの意味で裸眼と色が違います。

実際僕が買った眼鏡も、見た目はとても透明度が高くほぼ肉眼ではクリアにしかみえないのですが、それでも眼鏡をかけてみると色が変わります。

どうもアンチグレアと防傷などのコーティングのせいだそうです。

自分の眼鏡で観た限りでは緑が映え気味に見えすこし黄色味が強いような、ほとんど白な青系の光の加減もなんかちょっと色が違うように見えます。

ただ色の違いはレーザープロジェクターに限らず、全ての色に適応されるのではとも思い、実際の緑色の物や自然をみたり、家の有機EL テレビや同じく有機ELですがiPhone14proの画面を裸眼と比べてみたのですが、レーザープロジェクターほどの差を感じませんでした。たぶんコーティングの影響はあるとおもうので差は出来ているとは思うのですが、あからさまな差はないように思いますが、白色の光は少し違うかなという感じ。
その事から直進性の強い光であるレーザーは顕著に変わるのではないかと思っております。学術的なエビデンスは持ってませんのであくまで個人比較。

映画館の映像の色

前知識として、映画館の映像で使われている色について説明します。

映画館のプロジェクターの色はDCI-P3という色域を使っています。なんそれって感じだと思うので、そこら辺のディスプレイやプロジェクターよりたくさんの色を再生できるよって感じで覚えておいてもらえれば大丈夫です。まあ最近は高性能な物が増えたので一概にそうではないのだけど。

人間の認識できる色を色相環の平面図みたいな色の海図みたいなやつにしてその上にRGBの座標を測定で割り出し指定して、結んだ三角形のエリアがプロジェクターが表現できる色として適応されます。

 

そして基準は光の三原色であり赤、緑、青の三原色の光で映画の色は再生されています。

最近映画館で主流になってきているRGBレーザープロジェクターは三原色の原色の光である赤、緑、青を各々をレーザーの綺麗で強い光で映しだすので色の再現性が高いとかなんとか。

 

キャリブレーション

次に色補正の作業についての説明をします。
業務機である映画館のプロジェクターはカラーキャリブレーションという、その色が正しく再生されているかどうかを測定して更正するという作業を定期的にやります。映画館のプロジェクターに限らず色を扱う仕事をする人がつかう機材はどの機材も絶対に行っている作業です。

レーザーユニットの状態やプリズムの経年、DMDの状態といった色んな要因で色はズレるので映画館では欠かせない作業です。

正しく更正されたキャリブレーションカメラでRGBの原色の色を測定し、色のデータを入力して出力される色の補正を行っていきます。

僕の今メインで使っているバルコのプロジェクターはRGBを測定してその色域座標をいれると白の色域座標が決まり、白の座標点を元に正しく色がでているかを判断する感じになっています。

座標点はDCI-P3でRGBWとともにXYの値が定められていて、±のある程度の許容値はありますが、その座標点を目標に測定して更正していきます。

その座標点をみるキャリブレーションカメラは冒頭にある写真がそのカメラです。とてもお高い。

 

レーザープロジェクターの映像を裸眼とメガネで色を比べる

色収差とかはちょっと僕の眼鏡では上手くできなかったのもありますが、今回は色への影響を見ていく実験をしてみたいと思います。

まず普通に色のキャリブレーションを行います。
そのキャリブレーションを行った後にキャリブレーションカメラに眼鏡をかけてみて、色の座標点がどうズレるかを計測。
肉眼ベースでの色の変化ではなく思いつきの実験ですが、色にどう影響するかの参考にはなるかと思います。

 

実験

実験に使用したのは僕の眼鏡のレンズとエンジニアさんの眼鏡もお借りしました。
エンジニアさんの眼鏡は詳細わかりませんが、量販店のよくあるレンズですが度が結構強い分厚い物で、あと確か乱視も入っていたはずと言ってました。

僕はとてもガチャ目なので左目と右目で全く仕様が違うため、両方で試してみました。

実際のところ、眼鏡レンズのコーティングやら仕様やらなんやらの質でも全然違うと思うのであくまで参考です。

 

僕の眼鏡のレンズデータ

メーカーと型式

ZEISS

フィニッシュドSV AS 1.60 DVS

レンズ1 Sph:-1.25

レンズ2 Sph:-0.00 Cyl:+0.50 A:90

の二つの眼鏡レンズになります。 
Sphが-1.25の方をレンズ1Sphが-0.00の方をレンズ2として、エンジニアさんの眼鏡レンズをレンズ3とします。

 

まず普通にキャリブレーションした数値です。

R

X 0.6743 Y 0.3196

G

X 0.2628 Y 0.6846

B

X0.1511 Y 0.0618

W

X 0.3125 Y 0.3503

という数値になりました。大変良い数値です。各色には基準点と許容値が存在し、その基準点にいかに近くするかをする作業です。許容値も結構狭いのですが、かなり基準点に近い数値です。よく劇場の映像が綺麗って褒められるスクリーンですので数字で見ても納得かと思います。

この数値をベースに眼鏡をかけて測定してみます。

 

表にしました。一番左が基準のキャリブレーション数値です。

 

R   レンズ1 レンズ2 レンズ3
0.6743 X 0.6743 0.6757 0.6755
0.3196 Y 0.3193 0.3189 0.3193
G        
0.2628 X 0.2662 0.2685 0.2657
0.6846 Y 0.6815 0.6800 0.6818
B        
0.1511 X 0.1511 0.1520 0.1519
0.0618 Y 0.0619 0.0627 0.0623
W        
0.3125 X 0.3141 0.3159 0.3152
0.3503

Y

0.3520 0.3524 0.3494

 

割と細々と数値は動きますが、カメラの仕様的な問題で数値は若干測定するごとに変動するので、完全に一緒じゃ無い事もあるので、すごく小さな変動は変化無しとします。

見る限り、肉眼での感覚と同様にGつまり緑の数値の変動が大きいですね。
Rはほとんど影響されず、Bもレンズ2では少し動いています。
数字で見る限り、度の影響より乱視補正の影響の方がありそう。レンズ2は度は入っていません。なのでGはプラスティックメガネのコーティングの影響と乱視補正の影響がでているとみるのが自然かなと。ただコーティングの差は思っていたより微々たるものですね。
RBに関してはレンズ1のRBがほぼ同じ数値で乱視が入っているレンズ2と3でRBの差がでているという点をみるとコーティングの影響はほぼなく、RBは乱視補正で影響が出るという事が考えられるのかなと。
Wに関しては、赤や緑の方に少し座標が動く感じですね。色的には黄色っぽい色による感じ?

RGBWの各許容値にかんしては、色ごとに違いまして、Bが一番許容値が狭く厳しいです。
一番ずれているGも許容値範囲ではあるので、この数値であれば普通に許可は出てしまう数値ではあるのですが、この微妙な差が肉眼での比べでだいぶ影響がでていると考えると、人間の眼の精度ってすごいんだなと思いますね。

 

まとめ

・メガネのコーティングでは緑色への影響が大きい。

・乱視補正でRGB全てに影響される。

・コーティングと乱視補正が両方あるとその分足されてズレるのでズレが大きくなる。

という感じでしょうか。

キセノン機でも試してみたいのですが、今自分の劇場にキセノン機のDLPが無いのですよね。
クリスティのキセノンDLPほしいなぁ!!!!!!

今回の実験はあくまで現場レベルの簡単な物なので、レンズメーカーさんとかがおそらくもっと詳細で完璧なデータをとっていると思います。もしかしたら何処かにちゃんとしたデータがあるかもしれません。
それと、目がいい人ならレーザー光源以外でも変化は感じ取れているのではないでしょうか。

今回はそこそこ面白い実験ができたなと思いました。
また何か思いつきで実験したいなぁと思います。たまには音の実験もしたいな。

 

 

映画館の音でいつも悩む二択のアンケートを取ってみた。

こんにちは、ちょっと前、いやだいぶ前に下のようなアンケートをX上で取りました。

結果、本当に真っ二つに割れました。

こんなに投票してもらえるとも思ってなかったですが、こんな綺麗に割れると思っていなかった…

 

なんでこんなアンケートを取ったかというと、試写をやっていて良く直面する問題の一つなのです。文字数の関係で音全体が痛いというニュアンスのような書き方をしてしまいましたが、僕の指してる主たる音の痛さはセリフにあります。取りたいデータ的にはどっちの認識でも問題ないのでそう書きました。

セリフは突き刺さるけど、音楽やSEを考えると下げたくない。けど刺さるの嫌だなぁどうしようかなぁっていうシチュエーションによく直面します。

その場合、セリフに合わせるという調節を行うと今度は音楽やSEが少し物足らない。

EQやチャンネルバランスで微調整してしまう事もあります。

元のバランスは崩さないことを意識しながら微調整です。ただそんなうまく行きません。映画の音源はパッケージされた後の音源になので、チャンネルごとの調整はできますが、ステムでもらえるわけじゃないので音源事の調整はできません。
例えですが、楽器の音の2.5kHzが綺麗なバランスだけどセリフの2.5kHzは突き刺さる、セリフで合わせると楽器が死ぬ。

そんな状況が生れます。低域を太くしてまろやかに誤魔化すという手法など色々あるのですが、そもそもそんなセリフの録音の音源には大抵使える低域が入っていません。楽器だけでたらめに太くなってしまう。そんな感じ。あまりセリフのCchに楽器の音が思い切り入ることは少ないのであくまで例えですが、セリフとセリフ以外の音が違いすぎて共存できないというのはよくあり困ったりしています。

 

さてなんでこんな事に良く直面するのでしょうか。

個人的な考えなので合っているかはわかりませんが、これはスタジオと劇場の距離のフィールドの違い、すなわちニアフィールドとファーフィールドの違いだと思います。

たぶんダビングスタジオとかだと丁度良く痛くなく通る声として聞こえているのだと思います。実際に、同じように特性を作っている大と小の劇場で聞き比べてみると、小さい劇場はあまり痛くないというのは良くあります。

ただニアで丁度良く通る音というのはファーでは丁度良くない事が多いなと経験上思っているので、この差分を調整するのは難しいです。

 

映画館の劇場はスタジオと同じ音響のフラット特性を目指してXカーブやなんなやりと色々と基準の元に作られますが、ニアとファーという絶対的な空間の違いの問題で一緒になる事はほぼありえないと思います。スピーカーの使い方も変わりますし、同じ音圧で同じf特でもエネルギーの大きさも違えば、距離が違うので音の減衰や残響や反射といったものが複雑に絡み合うファーフィールドではニアとはステージが違います。

割とこの辺りの認識のズレが埋まらず、スタジオの人と現場の人とでの軋轢が生れることはよくあるようですね。僕もよくスタジオ側の人たちの仕事で生れます。

 

話を戻して、セリフの丁度いいけど音量が全体的に物足りないを取るのか、セリフは痛いけど音量はちょうどいいを選ぶのかという選択を迫られた時。

試写のほとんどは時間の問題で音量だけの調整で終わる事が多いです。よほど踏み外した作品ではない限り、そのままで上映する事が出来るように普段から劇場の調整をしています。

ラインアレイとかの特殊なスピーカーの場合は全て手作業の調整になりやすく少し違ってくるのですが、まあ基本はリファレンスレベル付近です。あとは劇場の個性の範囲です。

なので、この二択をよく考えねばいけません。

 

僕の考えでは映画の音はストーリーテリングのファクターの一つととらえていて、ストーリーの表現を「痛さ」というストレスで邪魔してはいけないと考えているので、大抵の場合は痛くない方を選びます。

作風で痛くても問題ないもの、例えばライブフィルムとかであれば痛くても音量を取るという事はあります。が、基本は痛くない方です。

 

アンケートの反応を見ていると、思っていた以上に痛くてもいいから音量をという人が多い事に少し驚きました。一般的には音量が低い方がストレスになる。という考えが半数あるという事かなと思います。これは新しい知見でした。

 

そして面白かったのは、僕のFF内の人たちの反応に限りますが、音響関係または何か芸能に関係する仕事をしている人のほとんどは痛くない方を選ばれていました。

 

これは考察するに、普段扱っている音のパワーが違うので、「痛い」のレベルがたぶんちょっと違っていて、痛いより音量が低い方を選ぶ人が多いのではないかなと思います。なので一般的に50:50くらいの中でプロの方達では体感ですが、

「痛くない音量低い」80:20「痛いけど音量大きい」

くらいかなと思いました。

 

さて、このアンケートでは、みんなどっちが良いのかな、アンケートの結果で僕のやり方少し変えようって思っていたのですが、こんなに綺麗に割れてしまうとどっちでもいいのかなとも思ってしまいます。痛くなく音量が担保できれば悩まないのですがね。

 

ドウシヨウ。アンケート取ったのずいぶん前だけど未だにドウシヨウって悩みながら日々試写テストをしています。

答えはきっと永遠に出ない気がします。

 

映画の音について思っている事をうだうだ書く

特に落ちとかまとめたりとかは無いのですが、思っている事をうだうだ書きます。僕が思っている事だから正しいかどうかはわからない。

凄く間違っている事を言っているかもしれない。

良く思うセリフについて

映画の音で一番大事なのは何なのかという話になった時に、映画は物語を分かってもらうとか伝えるという性質上、セリフ、というか声が大事だと思う。これはいろんな製作側の人間とも話してて大体みんなそう言っているし合っていると思う。

芸術的な表現をしている作品でセリフがほとんどないけどストーリーが伝わるみたいな作品もいっぱいあるけども基本は人の声だと思う。
人の声にも、普通の声、ささやき声、叫び声、歌声、発声されない声といっぱいある。無言も声の音だとおもう。


個人的に映画の音の良い悪いを推し量る一つの基準が声だ。

映写初めて16年くらい経つけど2千本くらいは映画を観てきたと思う。映画通からすれば少ない本数だけど、同じ映画も何度も観たりもする職なので許してほしい。

良い音が入っている映画と、何だこのポンコツな音はと思う映画を比べて比較考察研究した時に真っ先に声の違いが判る。

というか他の音が良くても声がダメだったらマイナスだと思っているほどに声が大事という「声の音」至上主義と自分で思っている程度には声がいつも気になる。

 

映画の良い音の声とはどんなもんかという具体的にあげると

・声の大小に限らず通りが良い。

・高音が突き刺さるなどの不快さがない(叫び声等そもそも不快な声を除く)

・肉声感を感じられる(重心がある)

・上下フィルターで切っていたりディエッサーとかダイナミックEQだったりのコンプの類とかがかかったような狭い機械処理的なレンジを感じない

が個人的に思う良い声の具体的な評価ポイント。

 

声の通りが良い

声の通りが良いというのは、そのままの意味で良く聞こえるという事。
でもまあ、役者さんがそもそも通りが悪いそんな声って場合もある。
ただ登場人物全員そんな声であることは絶対無い。特にアフレコ/プレスコで声優をつかうアニメでそれはない。

声の通りが良いというのに、不快さがないと、重心があるというのに関連してくるが、midから下がちゃんと適正に入っている事が重要だと思う(低域というか重心という言い方の方が正しいかもしれない。低域の周波数帯ではないかもしれない)。
人間の声そんな高くないし芯の部分が消えているって思う事がポンコツ音の作品だと良く思う。

しかし通る声という話で、下の方が無い方が高音が走る感じになって良く聞こえるのではと思われがち。

これたぶんPAとかの経験があるかないかでだいぶ変わると思うんだけど、トークショーとかでハウリングやバフバフいうからってんで脳死で下の方ガッツリ切っちゃうと全然声が通らなくなるという経験があると話が早い、ただ僕はPA屋さんじゃないのであまり偉そうに言えないので以前たまたまやったトークPAごっこの経験から。

理屈としては単純に高域の減衰は低域よりとても早いからかなと思う。
ファーフィールドくらいの距離になる映画館なんかでHiだけの音になった場合、ラウドネス曲線で耳に付く痛い周波数だけ目立つし、減衰も早くて抜けがとても悪く感じる。
それに他の作品の音や、残響や反射といった他の音も一緒にでていてマスキングされやすい環境下でそんな高域だけなんか通るわけがない。重心、つまりは芯がない声は簡単にかき消されてしまう。街中で声が聞こえるかどうかみたいなニュアンスかなと思う。

オペラ歌手とかの高い声が通るのってホールの環境のおかげもあると思うけど、高い声の裏にちゃんと重心がいるからだと思う。

音量上げなくても音がちゃんと聞こえる音源と音量上げなきゃなんか気持ちよく聞こえない音源の違いみたいに思ってもそんなに外れた表現ではないと思う。

かといってぼわぼわの音も逆にマスキングされて通らないのでダメなのでたぶんこれとても難しい問題。

まああとあれよね、アフレコなのかそうじゃないのかでもだいぶ変わるとは思う。

 

不快さがない

不快さがないっていうのは、痛くないってことが大きく占めるかもしれない。
ダメな奴は本当にただただ痛い。リファレンスレベルで再生しようものなら耳が痛くて不快でこれで1時間以上耐えないといけないのかと絶望する。
前に、痛いので音量あげれねえんだがと言ったら、そいう音の作品だから上げろよとバトルになった事もある。苦情をもらうのは映画館であって、お客さんはただの被害者になって2000円も払って耳がつかれて帰るだけになってしまう。
配給通じて製作にクレームじゃあ!といったところで修正版を作ってもらえることなどほぼない(一度だけあった)
この痛い音というのは結構厄介で、年齢によって聞こえなくなってくるのと、プロアマ問わず普段聞いてる音量によっては何も感じなくなる音である事が多い。良くあるのは12kHzあたりすんごいスンスン言ってるのに多分耳に難聴とか加齢というシェルビングかかってて聞こえてない。2.5kHzあたりも凄く痛すぎてすごく下げたと思う事が多い、でもニアではきっと痛くない音だと思う。でもニアとニアのモニターの音と環境とは別世界の映画館なので、スタジオで丁度いいはだいたい丁度良くないってなってる気がする。

映画館でも狭い箱の方が音が良く感じるのは作られた環境の大きさに近くなっている事も要因の一つじゃないかなと思う。

ただ本当に音が良い映画は箱の大きさに関係なく音が良いのは変わらないので、それもどうなんだろうと思う。

 

余談だけど、スピーカーのフェイズ特性がばっちり合っているスピーカーはHiが弱く感じるという事があるしよく言われる。なぜかというとLowとHiが近しい速度で鳴るので、マスキングみたいな効果がでる(のか?適当言ってるかもしれない)。Meyerさんが良くHiが弱いと情弱に言われているがそうじゃない、フェイズ特性がズレまくってLowが遅れまくってしまってHiだけ先に届いているようなポンコツスピーカーしかしらんからそいう事になる。Meyerに限らずちゃんとしたスピーカーならよくある話。Hiが弱いわけではないので、そこは音源を作る側でしっかり音を作ってねという事。システムのせいじゃない。

ただシステムが悪い場合もある。
ドルビープロセッサーの悪しき機能だと思っているんだけど、Bチェーン用のEQがグライコなんだよね。
あんな1/3octでのグライコでバンバン上げたり下げたりしているチューニングしてしまったら、シャカシャカの底抜けしたような薄っぺらい抜けの悪い音になってしまう。
映画館の音がシャカシャカキンキンしている音が多い理由はスピーカーの問題も大きいけどこの辺りの理由も大きいと思っている。現行のJBLもうちょっと深みのある音でるよ、、、?

 

 

肉声感を感じるってのとフィルター云々は次回にでも気が向いたら続きます。