映写雑記

映画館の設備視点

『RRR』を映写視点で観るよ。

rrr-movie.jpこんにちは、久々の更新です。

今回は巷でめっちゃ盛り上がっている『RRR』を観てみようと思います。

映画館で映画を観るエンタメを詰め込んだインド映画

『RRR』は映画館で観てこそ楽しい映画の一つだと思います。
僕、映写技師みたいな事してるのにこんな事いうと怒られるかもしれませんが、人と映画観るのが嫌なので、職場で営業時間外か家でしか映画観ないんです。他館に行くときは映画ではなくシステムを観に行っている感覚ですね。
そんな僕が!これは人と見ると楽しい!!!と思ってしまったほどインドパワーは凄いと思います。
同じ監督の『バーフバリ』や、あれなんだっけ、ハエの奴...すみませんタイトル忘れました。とか他のインド映画も何作品か観てますが(全部ちゃんと見てるのにタイトルが出てこない)どれも映画として映画館で観て楽しい映画です。家で観るのがもったいない。やはり音楽とダンスのせいでしょうか。

『RRR』の映像を観て行くよ

『RRR』の映像は、SCOPEサイズの2K画質です(IMAXバージョンの画面サイズがあるかはちょっと知りません)。
一般的な映画と変わりませんが、色の作り方がインド映画ってちょっと特殊かなって思っています。専門家ではないので何がとはわかりませんが、他の映画よりコントラストが高いような、はっきりした色が多いと思います。

SCOPEサイズなため、TCX等のラージスクリーンだとスクリーンに対して余白ができるため小さく見えてしまいますので額縁や余白が嫌いな人は普通の映画館で観るといいと思います。

『RRR』の音を観て行くよ

スペック的には普通の5.1chです。7.1chとかアトモスは日本ではないと思います(あったらゴメン)。

『RRR』に限らず、インド映画あるあるなのですが、音声が全てアフレコです。なので口の動きと音が全く合っていません。
聞いた話では、インドって使われてる言語がめちゃくちゃ多いらしく、その地域の言語に合わせるためだとかなんとか。
しかしその分、台詞ははっきり入っているのでとても聞き取りやすいです。
ただ英語とインドの言葉でだいぶ録音違いますね。言語としての癖の違いからくる問題でしょうか。

音楽はめちゃくちゃ気持ちよく入っています。こまけぇことはいいんだよっていう気持ちにさせてくれる音楽です。
ボーカルの声もとても綺麗に入っており、インド映画の質の高さに圧倒されます。
映像の作り方も壮大ですが、音楽の作り方や音作りも壮大です。テレビとは違うのだよテレビとはというのを解らされます。もう一度言いますが、テレビとは違うんだよ。な?

しかし、3時間もあるこの映画、さすがに疲れるんじゃないか?と思ったんですが、疲れません。出るとこ出してるし、基本ワイワイしている映画なので何故だ?と思ってインプットのインジケーターをふと見て気づいたのですが、サラウンドを全く使わないシーンが結構あります。
それに必要ない音をしっかりカットしています。
日常シーン等でもサラウンドって意識していない雑音の音などで使ってる事が多いのですが、まったく使ってないシーンがかなりあり、こいう使う使わないのメリハリで耳休めが自然とされるため疲れない音になっているんだなと勉強になりました。

音質もよくあるシャリシャリなHiよりの音ではなくしっかり重心のある音なのも重要な要素かと思います。ちょっとシーンによっては籠る時ありますが。
音がクリアで通る=スカスカのすっきりした音ではないの事が良く分かります。

とまあ質的にもかなり高クオリティな映画なのがわかりますね。

インド映画は、映画を楽しむのに必要な事が全て詰まっているんだよ。
是非、映画館で観てください。