映写雑記

映画館の設備視点

『トップガン マーヴェリック』を映写視点で観るよ。

こんにちは。今回は公開されて1週間経ちました、『トップガン マーヴェリック』を映写視点で観ていきたいと思います。ちょっとネタバレぎみな書き方もあるかもしれませんが、基本無いようにはしています。けどネタバレ怖い人は見ないようにお願いします。

topgunmovie.jp

 

この面白さはちょっと予想外だった

映写視点とかいいつつも、単純にものすげー面白すぎました。
オススメの理由、「どちゃくそ面白いから」いやこれだけで成立しちゃうほど、エンターテイメントとして、映画として良くできています。とても面白い。

深く考えると雑な展開だな!!って思ってしまうところも多いのですが、元々戦闘機好き好き脳筋アクション映画なのでそんなこと考えて観る方が野暮ってもんです。

とはいいますが、ストーリーもしっかり86年のオリジナルからしっかり踏襲されており、往年の「トップガン」ファンも大満足だと思います。あと少年漫画大好きだったらたぶん凄く胸が熱くなるとおもいます。僕は大好きな話でした。

 

大きく進化したサウンドデザイン

86年では、アナログトラックだったそうです。ドルビーAtypeとかかな?ちょっと聞いたのを忘れてしまいました。まあ5.1chであるSRDの登場は92年の「バットマン リターンズ」からなので、AかSRだと思います。MONOは流石にないかな?

そして、最近「午前十時の映画祭」ではDCP化された時に5.1chに生まれ変わっていました。
ブルーレイとかDVDも5.1chなのかな?

この5.1chリマスターもかなり良い感じでしたが、まあ年代は感じます。

そしてこの「マーヴェリック」はコロナなどの理由で公開が延期されているので、本当は3年ぐらい前の映画になります、なるのですが・・・

なんでしょう、この古さを感じない音。というか最先端では。ええい、ソニックブームを感じるぞ!

スカイウォーカーサウンドで作られた今作のサウンドですが、最初に音を聴いた時、「うーん頭悪い最高だな?」と思わず愉悦部してしまいました。
そして、スカイウォーカーサウンドで作られて、おそらくあそこの試写室でも観られてると思いますが、あの試写室というかもう大きさがシアターですが、普通に服だけじゃなくてメガネぐらいは揺れると思うぐらい戦闘機の音が出てると思います。
ウチの映画館でも結構出してますが、多分比べるとちょっと控えめなぐらいかなと思います。
あくまで推測ですが。そもそも僕の映画館のSWでは勝負にならないぐらいの数のSWが入ってるので・・・

AMCのドルシネでもたぶん、なんだこれってぐらい出てると思います。
良くも悪くも日本の映画館ってちょっとお上品な傾向があり、mid以下をあまり出さない傾向があるように思います。

けど、ハリウッドクオリティ、邦画でよくあるただLFEが吠えてて雑な音ではなく、めちゃくちゃ良く考えられて作られています。音楽もSEもサラウンド感もやべえっす。

映像は言わずもがな

本当の戦闘機に乗っちゃってるCG無しな飛行が売りでしたが、最高か?
CG技術が進化してもう本物と見分けがつかなくなってきている現代ですが、なんでしょう、本物はやっぱこう観ていて受ける印象がだいぶ違う気がします。

くどいぐらいの戦闘機の飛行シーンがてんこ盛りですが、全て手に汗握ります。
あとGを僕らも体感してしまっていると錯覚するレベルで伝わってきます。

やっぱ本物ですね。
来週からの「アライブフーン」という僕の一押し邦画があります、あれもCG無しのガチカーアクションなのですが、邦画の予算で作られた映画でさえ、アクションシーンで引き込まれます。これは製作者たちの努力の結果でもありますが、やはり人の気持ちを揺さぶるのは本物を魅せられた時なのかなと思いました。

普段あんまり他の映画館いかないけど「マーヴェリック」はIMAX行ってみようかな?

 

この映画、配信されてからとか家でイヤホンとかテレビのスピーカーで観ると、これは映画館で見なきゃダメだったやつって絶対後悔するので絶対劇場で見た方がいいです。

あと86年のオリジナルは履修必須かなと思います、観てなくても面白いけどね。
アマプラで観れます。F-14もいいですがGPZ900Rとポルシェ356Aスピードスターの勇士も是非みてください。

ではまた

『ハケンアニメ!』を映写視点で観るよ。

haken-anime.jp

こんにちは、今回は映画『ハケンアニメ!』を観ていきたいと思います。

映写視点とかいいつつも単に面白かったからオススメしたいなというのがメインです。

東映に必要なのは行城さんでは?

映画業界にいると、なんでこんな面白いのにお客さん入らないんだろう?っていう映画に良く遭遇します。
口コミで広がってファーストラン以降でお客さんが増えるといった作品も稀にありますが、基本的にそんなムーブメントが起きず、映画の上映が終わっていきます。

この『ハケンアニメ!』もなんかそんな感じで終わりそう。。。
小難しい話とかではなくて、分かりやすく面白い作品で、クリエイター業の人以外にも胸にささる感じの内容じゃないかなと思います。

そしてこの作品の規模感で人が入らない原因に宣伝が上手くできていないってのがあると思います。
いやまあ、部署が違うしあまりちゃんと調べてませんけど、しっかり宣伝ができている映画って、僕のような鎖国人間でも普通に生活してて勝手に耳に入ってきますし、そもそも映画業界内の職場なので、一般の人より「こんな作品があるぞ!」と認知しやすいんですが、公開直前まで全く知りませんでした。
やってなくはないっぽいのですが、なんか微妙に広がっていない感じ。

東映さん自分で自分の作品みて!!行城さん見習って!!

昔から作品の宣伝あんまり得意じゃないよねと個人的な感想をもっている配給の一つです。
作品は面白い作品が多いのにね。

キャストの2次元化

いや、なんか言い方が難しいんですが、この映画みてて凄かったのは、出演者の人たちが演技の凄さもあって良い塩梅な2次元の世界を連想させるキャラ設定なんですよね。
実際はこんな人いないだろうけど、凄くいるように納得してしまう良い塩梅というか。

役者さんたちの演技力だけではなくていろんな演出などの要素が合わさってこのような実写映画としてこのキャラ設定で違和感ない感じになるんだろうなーと勝手に考察しています。

なあ鋼の????

映写的な視点も

映写的に観ていても良い作品です。
画はシネマスコープシネスコ)で、音は5.1chです。
最近、シネスコの作品多いですね。僕はシネスコが好きなので嬉しいです。
近々の作品であれば、『大河への道』『死刑にいたる病』『夜を走る』『鋼の錬金術師 完結編』もシネスコです。

あまり映像の構図とかそいう魅せる理屈に関してはわかりませんが、なんかよくわからんけど良い画(カット)がおおい!!と思いました。配色もあると思うのですが、何気ないシーンでも一枚イラストにできそうな感じ。

音も、かなり良く、良い意味で癖がなくとても素晴らしいなと観てて感動しました。

あと声優が声優役として高野麻里佳が出演していますが、めっちゃ一人だけアニメ声だったり、劇中のアニメの声を発声しているシーンで思ったのが、アニメのアフレコの音もこんな声で撮ってくれたらいいんだけどなっと思う録音でした。高いは高い音なんですが、ちゃんと芯があるので「痛え」ってならないんですよね。

アニメで多いなと感じるのが、下の方の音がなくなりすぎてただ「痛え」ってのと歯擦音で耳がやられるぅってなるあの声の音がまかり通ってる理由がわかりません、なんとかしてほしい。

そういえば、さっきちょっとタイトルを出した『死刑にいたる病』もめっちゃおすすめなんですが忙しくてまだ1時間半ぐらいしか観てないので、全部観たらレビューしようと思います。
これ映写が職業で良くないところだと思うのですが、つまみ食いみたいな観方になってしまうのがたまに悲しい。

話それましたが『ハケンアニメ!』オススメです。

 

『シン・ウルトラマン』を映写視点で観るよ

こんにちは、『シン・ウルトラマン』が公開されましたね。
話のネタバレは一切ないですが、劇中の演出的な話は触れますので、一切情報を入れたくない人は観ないようお願いします。

『シン・ウルトラマン』を映写視点で観て行こうと思います。

普通に5.1chでやってきたウルトラマン

シン・ゴジラ』の時はLPCM3.1chという変化球なサウンドスペックでした。
聴いた話ではたしか最初は1chのMONOというサウンドスペックで作ろうとしていたそうです。
流石にそれはダメと一番偉い人にでも言われたのか、でもそれっぽい感じで妥協したのが3.1chなのかもしれません。あんまり詳細はしらないです。

恐らく、当時がMONO音源だったのでそれを再現したかったのかなと思います。
なので今回こそはもしかしたらMONOで来るかもしれない!!と思っていたのですが、普通に5.1chでした。しかも結構バリバリに一部サラウンドしてますし、LFEも鳴ります。

「シン」シリーズは少し身構える

シン・ゴジラ』『シン・ヱヴァンゲリヲン』、あとシンではないですが『サンダーバード55』庵野さんと樋口さんが絡む作品で起きた悲しい事件があります。
この2人の作品を長年観てる人であれば良く分かると思うのですが、文字がいっぱい画面に出てくる癖があります。
そして、演出に拘ったためか、文字の配置を画郭のほんとにキワッキワを攻めた結果、日本全国いろんな映画館で映像上の文字が切れてしまうという事件が発生。

サンダーバード55』なんて最初から文字切れるかもしれないごめんね☆ミ(超要約)という案内が来る始末。※樋口さんが構成担当してるためか日本語の文字配置がたぶん樋口さん
たしかシンエヴァも最後の終劇が~って案内きてた気がする。

今迄のシンシリーズ公開当時、日本の劇場設備インストール業者の大手2社も「画郭なんとかしてくれえ!!」という映画館からのヘルプで連日阿鼻叫喚だったらしいです。
僕の所も例に漏れずがっつり切れました。

そのような過去があるので、今回も多分やばい気がするという気持ちで構えていましたが、さすがに怒られたのか、なんか今回は気持ち全体的に中央よりの文字になっていました。たぶんあれで切れる映画館は無いと思います。

よしよし。

けど実際その中央よりの状態で観ると、確かに画面キワまで文字で埋めた方が「なんかカッコいい」という気持ちもあったので、映写的には嬉しかったですが、演出的にはちょっと残念かもという気持ちもあったりなかったり。

映画館の画郭の話

映画館の映像の話を少しします。
映画の映像ルールとして映像の外枠10%は見切れても差支えないエリア(有効映像域が90%)として作らないといけないというルールがあるそうです。というか映画館側からしてもそうしてくれないと難しいです。

何故かというと、映写角左右上下0度フラットスクリーンというポスプロレベルの画郭レベルを出せる映画館なんてほぼありません。

プロジェクターの映像というのは、固定アスペクト比の長方形で投影されますが、角度が0.1度でもつけば、映像は台形に歪みます。DCIという映画の世界ルールみたいなのがあるのですが、それによりシネマプロジェクターの台形補正は禁止されているので、角度でついた台形歪みはそのまま映さないといけません。

しかし台形がついた状態はかなり視覚上の違和感を覚えてしまうので、35mm映写機ならばアパチュアマスク、プロジェクターなら電気マスクといった映像を任意の形にカットする機構を使い、スクリーンの長方形に映像を当てはめて行きます。
その際映像が切れるので、映らなくても良いエリアが無いと画郭のセッティングができません。

そのため、だいたいの映画館は映像の台形歪みは起きているけど四辺は綺麗な長方形な状態になります。実はすごおおおおおおく良く観ると二段字幕の下段が上段より大きかったりする場合がありますが、台形歪みの影響の一つです※台形も映写角度で形が変わるので全てではありません。
湾曲スクリーンになるともっと複雑になりさらに映像を切り込む事があります。

という上記の仕様が映画館にはありますが、大事な部分が見切れる作品はちょいちょいと出てきます。なら見切れないようにすればいいやんという話ですが、これがちょっとやっかいです。ルール上の10%の欠損OKエリアを上手に使い、そのスクリーンで一番画を観たときの充実感が得られるセッティングを煮詰めていきますし、さらに細かい事を言えば、レンズの仕様とスクリーンサイズと映写距離という問題も出てくるので、なかなかの職人技の域の話です。
なのでルールを無視した作品のためだけに画郭を作るというのは、映写視点だけの気持ちを言えば「公道で速度違反した人のために制限速度を引き上げる」という気持ちで、「何でや」と思う気持ちがあります。

まあ、お客さんからするとそんなんどうでも良いので、映画館が対応するというのもしょうがないとも思ってはいます。ただ、切れてる部分を映すようにするにはいわゆる額縁上映といって、上下左右に黒味を作る形にしないといけない事が多いので、どっちが全体的に良いのかは悩みどころです。
少しとか言って一番文字数が多くなってしまった。

 

『シン・ウルトラマン』は映画館で観ると映写的にもいろんな発見があるかもしれないです。

映画館で必要なスピーカーの音を考える

こんにちは、今回も頭で考えている事を適当にメモ代わりにしていこうと思います。

 

映画で使うスピーカーに欲しい性能

映画で使うと言ってますが、たぶん映画に限らず欲しい性能だとおもいます。
個人的な考えがメインで、基本的に頭は悪いのであんまり音響学とかそいう事はわかってない発言になります。

僕の考えでスピーカーに求める性能は、「HiからLowまで同時に音が出せる」をとても求めています。

それは何故かというと、現実世界で聴く音というのは究極のフルレンジ(1way)音源だと思っています。水滴も爆発音も打撃音や車の走行音、楽器も声も全て、音が発生している点(場合によっては面とか線とか)から同時にHiからLowまで全ての音が出ています。いろんな音で純音(自然界にはそもそも存在しない)以外は解析すると耳で聴こえている音よりかなり広いレンジが入っているというのが分かると思います。

環境でズレていったりはしますが、基本、音の発生源は一つだと考えています。なので、スピーカーもHiとLowの音が同時に出てくるのがよりリアルに近い音になると思っています。

そして、映画は音楽も自然界の音も声も機械の音、宇宙の音からファンタジーの音と想像の世界もいれて世界に存在する音を全て扱っていると言っても過言ではないと思います。
そう考えた時に、録音の事は少しややこしくなるので置いといて、必要だと思うのは、いかに本物の音を再生できるスペックがあるかだと思います。好みの音ではなく理論的に本物の音に近い音が出せるかというのに重点を置くべきで、それが出来れば、あとは制作側で好みに音を作れば好みの音になるし?と思っています。

同時に音を出すのはとても難しい

では、その同時に全ての音を出すスピーカーというのは存在するのかという話ですが、恐らく現存していません。というかスピーカーの仕組み的にとても難しいです。
各スピーカーのメーカーさんたちはとても頑張ってそこを突き詰めて研究されてますが、「だいぶ誤差が減ってきたけど完璧はまだもっと先」というぐらいかなと思っています。

なぜ、難しいかというと、スピーカーは前後の振動で音を出しているわけですが、高い音は細かく振動して低い音は大きく振動する必要があります。
そこで高い音の振動はあんまりエネルギーは必要はないですが、高速で振動する必要があります。
低い音はあまり速く振動する必要はないですが、大きなエネルギーが必要になります。音の成分になる周波数は1秒に何度振動をするかなのと振動の波長の長さの関係などのもろもろの理由から低い音ほど、面積か前後のふり幅を大きくする必要になってきます。

ハエとか蚊などの虫の羽音って高速なのでプーンって高いですが、大きな蛾や鳥になってくるとボフボフと低い音の違いのようなものです。

乱暴な例ですが、想像で構わないんですけど、ハエとか蚊に鳥のような羽音を出せって無理だと思いません?スピーカーもそれと一緒で高い音と低い音の共存が難しいんです。

そこで2wayや3wayなどのマルチウェイ方式が考えられて、高い音と低い音の役割を分けたユニットを搭載してるのかなと思っていますが、運動のエネルギーが全く違うし、運動量が増える分コーン紙が歪んだり、駆動ロスが生まれたりで高い音のユニットと低い音のユニットがそもそも速度が揃わないという状態になります。

小さいうちわで仰ぐ勢いに合わせて人ぐらいの大きさのうちわを仰げって難しいのと一緒です。

さらに、同時に音が出せるようになったとしても音が出ている点が違うので、音が別れて聞こえてしまいます。それを解消するために考えられた機構が同軸ユニットだったり同軸スピーカーだったりしますが、その複雑な構造上いろいろ難しい事になっています。

意外に欠陥だらけだぞスピーカーの仕組み!!

そしてそこに電気信号のうんたらかんたらや波形の形うんたらかんたら入ってくるとまったくもって出来る気がしない!!

今の所一番その理想に近いと思った聴いた事あるスピーカーはMeyerSoundのBlueHornシステムだけです。

meyersound.com

指向性を感じるぐらいまでのちょっと低いぐらいの帯域までステレオで疑似3Dサラウンド出来るほど位相コントロールが高次元でできていて、同軸より同軸のように音が点に聴こえる謎技術でした。音の出方が超高次元で揃っていないとそもそも出来ない音です。

日本にも何処のメーカーか忘れて、音は聴いた事はありませんが、これに近いシステムもあるそうなのでいつか聴いてみたい。

海外のいろんなポスプロには結構入っているそうです。めちゃくちゃ羨ましい。映画館で使いたいシステムNo1です。というか君の理想で作ってって言われたら客席数無視でこれ入れますね。絶対。

 

システム側で音が分離しちゃいかんのよ。マジで。

映写技師が全力でDIYホームシアターを作りたい。

こんにちは。更新頻度を少し増やしていきたいと思ってるので頭で考えている事をとりあえずアウトプットしていこうと思います。

 

今僕がやりたい事は自分の家でホームシアターを構築する事です。
本当は去年か今年中に独身男が結婚を捨てた趣味全開専用マイホームを建てようと思っていたんですが、コロナの影響のうえで僕の収入は減っているのに浪費癖が酷く自業自得ですが火の車になってしまい進んでいません。ダメな30代前半の代表例です!!
来年は今の家の更新なのでそれまでには建てたいですね。
ホームシアターを構築する作業は全てブログや動画にしていきたいと思っています。

今一番やりたい事です。鉄筋コンクリートとかのマンションとかであれば軽くであれば手を出して行けたんですが、趣味の車の駐車場優先で木造アパートを選んでしまったので生活音ですら気を遣う環境です。

 

リモートワークや自粛期間が多く、家でサブスクサービスを使って映画を観るという人も増えたと思います。コロナ前から僕はこの計画を目論んでいたのですが、世間のニーズ的にも何かしらヒントになるのではと考えています。
いや映画館で働いてるんだから映画館に足を運んでもらえることしろよって思いますが、趣味的にはこっちがやりたいんだよ!やらせろよ!って気持ちなので完全に趣味です。軽くどんな構成で考えているか書いていきます。

・2ch~7.1.4chまで対応させる。

サウンドスクリーンを使ったPJ映写

・ディスプレイは実験で色々使いたいのでディスプレイもサブで用意する。

・一部スピーカーも作る。

・映像も音も基本的には業務用と同じ基準で構築して、映画館のノウハウをフィードバックする。

・内装関係は音響を素人ながらに考えて色々DIY構築する(アドバイスをプロに色々聞いちゃうけど)。

・機材はコンシューマと業務用のちゃんこです。良いと思ったら何でも使うスタンス

こんな感じで考えています。

ホームの環境と映画館の環境の違いに四苦八苦するのが楽しそうで想像するだけでもワクワクします。実験室みたいな感じですね。

 

場所があれば今すぐやりたいですね。
視点とかがホームと全然違うと思うので観てる人も面白いと思うんですよね。

とりあえず意思表示だけでもしておこうと思った次第です。

映画館とスタジオ環境の関係を考える

こんにちは。

 

作品のレビューとかも書きたいなと思っているのですが、書きたい作品の全国のファーストラン上映が終わったら書こうと思っています。

今日は、映画館とスタジオ環境についてだらだらととくに纏まらないネタの考えです。

特に音をメインで書いていきます。

 

映画館でスタジオそのままを再生するという事

たまに論争が起きる内容ですね。制作側の人達は自分たちの作った音をそのまま提供してくれと思っている人がほとんどではないでしょうか。当たり前です。自分の子を勝手に染められたくありません。

しかしそれは可能なのでしょうか。

全く同じ建築、全く同じ音響設備、全く同じ音源だったら可能でしょう。

まずそれをするなら作業用のコンソールを全て撤去して劇場の椅子で部屋を埋めるところからしないと同じ環境になりません。

スタジオのミキサー等の機材はとても大きいのでかなりの反射面になります。なのでほとんどのスタジオではスィートスポットと言われる一番音が良く聴こえるポジションの前にミキサーがありますが、少なからず手前で大きく反射している音を聴いているわけです。あとコンソール類が邪魔して届かない音もあります。

実際、いろんなスタジオを回って音を聴かせてもらいましたが、かなりの影響を感じました。

 

映画館ごとに音が全く違う

映画館の設備もそのスクリーンによって全然違います。

Bチェーンで測定の見た目上は似たような音を目指していきますが、同じf特をもった測定結果の劇場でもスピーカーが変われば音色も聴こえる音も変わります。

ポイントソーススピーカーなのかラインアレイスピーカーなのかでも変わります。

ユニットのクロスオーバー位置でもネットワークがデジタルなのかアナログかの差でも変わります。

壁の表面や壁の裏側の建築の仕様でも音が変わります。

それらがその劇場の味となり映画館を楽しむ文化の一つでもありますが、神経質に考えるのであればこれでは作られた音を流せは無理です。

 

スタジオも音が全く違う

そもそも、スタジオ事にも音が全く違います。あそことあそこのスタジオ同じ音がするなって思った試しが一度もありません。「似てる」はありますが、同じ音だなって思った事が一度もありません。

なので制作されたスタジオ事になんかそのスタジオっぽい音が入った作品が来るな~って思います。たぶんかなり分かりやすい作品であればどこのスタジオで作られたかって音を聴いて当てられるような気がしているぐらいです。

つまり、Tさんで作られた音で合わせた劇場でSさんで作られた作品を掛けたらSさんの作品はなんか違うってなりますし、逆もしかりです。

これは海外でも一緒です。狐さんや空歩さんとか兄弟さんとかも結構スタッフの違いとは別の違いを感じます。

 

こんなことが先日ありました。

とあるスタジオで作られた作品の音を作った人がスタジオだといい感じだった演出が、いろんな映画館で実際観るとなんか過剰になって全然違う演出になってしまっていたと言っていて、その作品は僕の所でも掛かっていたのですが、やはり同じちょっと違う感じだったのですが、あのスタジオで作られたと知っていたので、まあその演出しようとするとそうなるわなって凄く納得しました。

僕が良く知っているIさんの作品もAなのかかTeのスタジオで作られたかでも結構違いを感じます。

 

以前少し話題になっていた、映画館の音量問題ですが、出てくる音が違うと音量も変わるんです。作った人達が真剣にシビアに作れば作るほど、こちらで流すときにその最高のポイントとずれ易いために上映が難しくなるというジレンマがあります(僕はそこが楽しいのでもっと突き詰めて作ってもらって良いと思っています)。

同じピンクノイズ85dB基準でもシビアに作るほど、難しいです。

 

じゃあどうすれば良いの

じゃあどうしよかって話なんですが、「正直わからん」です。

昔は、劇場側で作品ごとにそもそも弄ってしまって上映しやすい形に変えてしまえばいいのではという考えの時もありました、しかしそれは作られたモノを改変してしまう形になります。なので良くないと思いやめました。

最近、僕がやっているのは、いろんな方々の協力のうえでスタジオ側の音を知る機会を頂いたので、上映した時に作品ではなく劇場とスタジオのマッチングを聴感上で合わせるという形を取っています。

幸か不幸か、耳はそこそこ良いらしいので、なんとなく差分が分かります。

しかし完全に合わせる事は出来ないので箱とシステムと作品が喧嘩しない感じを狙うというのでしょうか。ニュアンスの問題なので言語化ができませんが、ルムアコを視て行くという感じです。

電気的にどうしようもない場合はアプローチの方法で嘘をつくという事もします。

あと、作品で合わせるワケではなくその箱で掛かる複数の作品も観ないといけないので、結構悩みどころです。あっちを立てればこっちが立たずという状況が良くあります。あまりに逸脱した場合は専用にこさえます。

 

その精度を上げて行くために最近は自分でシステムの特性を測定したり箱の特性を測定したりとなんか映写じゃないような事を良くやっています。まあ本当のプロにはかないませんが。その本当のプロたちに教えて貰えているので遠く外れてもいないと思います。

音響関係のベテランの人はみんな口をそろえて言いますが、測定では見えない部分がまだありすぎるので測定値を元に聴感上で最終的にはやる事になると言います。

実際その通りで、測定値上は本当にほとんど一緒なのですが、一緒になりません。映写もいろんな知識を持っていろいろ試してみないとだめやろなぁという感じです。

 

全く纏まりませんが、音響って楽しいなぁ禿げるなぁって思いました。

 

 

DLPとSXRDを比較したよ。

こんにちは、実はコロナに掛かってしまい暫く引きこもっていました。

今はもうかなり復調して隔離期間も終わり、職場にも復帰しています。嗅覚が0になってしまって少し大変です。

 

さて1月に職場の方でプロジェクターの入れ替えをしました。プロジェクターはバルコのRGBプロジェクターとフォスファーの二種類を導入し、SXRDは撤去する事に。

プロジェクターのインストールと少し使ってみての使用感を含めてSXRDと比較してみたいと思います。

あとSXRDを暇つぶしでバラバラにして遊んでたのでその時の写真も少し貼っておきます。

 

DLPとSXRDの比較

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RGBレーザーのDMD回り

さて、念願のDLPというか、DLP自体は少し使っていた期間もあるのですが、当時は僕もぺーぺーだったので、少し経験を積んだ今の僕なら少しはまともな使用感なりDLPの感想ができるはず。

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SXRDの液晶チップとかを掌るグラフィックボード

SXRDとの大きく違うなと思ったのは描画の方法ですね。
SXRDは画面中央から画面4分割されたものが外側に広がっていく描画になります。

DLPは多分、単板式と三板式とで違うかもしれませんが、多分瞬間的に画面領域全てを切り替えているんですかね?ちょっとここは良く分かりません。ディスプレイみたいな走査線方式じゃないとは思うのですが。

正直この描画の違いって映像制作のプロじゃない僕でもわかるのかなと思っていたんですが、やべえすげえ分かる。
SXRDで見慣れ過ぎていたのでDLPの描画に凄く違和感を感じてしまいました。

もちろん他所でDLPは何度も観ているのですが、実際自分の見慣れている環境で同じ作品を見比べると、あーって声がでるぐらいしっかり比較できました。他所だと見比べができないからね。

知り合いのアニメ制作のKさんはめちゃくちゃこのSXRDの描画が嫌いなんですが、まあ確かにアニメとはめちゃくちゃ相性が悪いですね。

あとやはり、フレーム事の切り替わりがスムーズなので画面の残像感が薄いです。この辺は市販の液晶テレビ等の特性と変わりませんね。

あとDLPは黒が綺麗にでるので、色の奥行が良く出ています。HDRかな?って思う感じの色になりますね。ここはDLPの強みですね。

ぶっちゃけ色に関しては黒以外はさほど驚く差は無いと感じます。この違いは光源の違いだからなのか方式の違いなのか、メーカーの違いだからなのか環境の違いなのか個体差なのかといろんな要因があるので、一概に僕の感じている差をSXRDとDLPの差だと言えません。というか一応、Rec.709の色域基準なのは変わらないのでそれもそうですねって感じ。

 

個人的に、実はSXRD若干アンチ派だったんですが、入れ替えてから「え、SXRDって実は結構優秀じゃん」とSXRD肯定派に変わった部分もあります。

その最たるものが、SXRDはモアレが出ない

いやぶっちゃけると僕、ずっとSXRD使っていたのでモアレという文化を知りませんでした。文化というか現象。そう、プロジェクター使ってる人からすると当たり前の現象であるモアレを知らない生活だったんです。それはSXRDではモアレが出ないから。

DLPはダメですね。7割ぐらいの感覚でモアレとの戦いになりました。

モアレの対策って主に二種類だと思います。
スクリーンを張り替えて、サウンドフォールの位置をずらすかモアレ対策されたスクリーンを使うというのが一つと、現場できる対策はフォーカスを甘くするです。
モアレはその性質上フォーカスを甘くすると軽減していき、どこかで消えます。
ただし画はぼっけぼけになります。

スクリーンの張替えはコストかかりますし、張り替えてもモアレは出るかもしれないので、スクリーンガチャをしないといけなく現実的じゃないです。
なのでフォーカスをぼかしてモアレとフォーカスの甘さの妥協点を探る形になります。
たまに、めちゃくちゃフォーカスがぼけている劇場がありますが、あれはモアレの対策だったと初めて知りました。各劇場によってフォーカスを優先するかモアレを優先するかの流儀があるみたいです。

 

DLPの良さはユニフォミティでの色ムラが発生しないという良さがあります。
だいたい4角の方から色ムラが発生します。いやほんとこれ結構な頻度で発生するんですよね。これから解放されるだけでも僕はハッピーです。

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SXRDの液晶チップとプリズムユニット

R320も優秀な部分がある

DLPがSXRDがという話ではなく、モデルの話になるんですが、SXRDのR320は使用されるレンズが大きいです。今回導入したDLPのレンズと比べると3倍ぐらい大きさが違います。最近のレンズちっさ、、、って思いました。
しかし、レンズは大きい方が画角調整の自由度が高いというメリットがあります。それとレンズの良い所と言われる範囲が広いため、映写角度や映写窓の位置による環境的デメリットに左右されにくいという良さがある事を知りました。

環境によっては今の現行機種のDLPたちよりR320の方が画郭という面では有利に立てる場合もあります。うん、実は優秀だったぞソニーごめんな。

ただプレゼンテーションCSの4Kを4Kというのは認めんぞ?

 

実際どっちがいいの?

クオリティ面で言えば一長一短なのでDLPでもSXRDもといLCOSでもどっちでもいいかなと思いました。設置環境で選ぶというのが正しいきがします。

 

次はレーザーとキセノンについて書きたいな?