映写雑記

映画館の設備視点

映画館でステレオ音源はとても難しい(後編)

 

achamiya.hatenablog.com

 こんにちは、今回はこの後編です。

 

前回は左右で同じ音を出すのは難しいという話をしました。

そしてファントムセンターってものがあるよっていう話をしました。

では、後編では何でそれがステレオ音源の再生が難しいとの話になるのかをもうちょっと詳しくしていきたいと思います。

 

音がふらつく

スピーカーは高い音から低い音と結構幅広く出せます。

そしてその音が耳に届くまでに色々干渉されて変化します。

 

その変化の中に、音が消えたり、音が増幅してしまうという変化があります。

そして、その変化は、左と右のスピーカーから出た音たちは各々変化するため、左右で音が違う変化をしたりします。

しかし、変化しない音もあります。

 

つまりどいう事になるか。

左と右のスピーカーから全く同じ音を出したとしましょう。

その時に、左の音は高い音から低い音までちゃんと耳に届いたとします。

けど右の音は高い音が消えてしまい、中ぐらいの音と低い音だけが耳に届いてしまう。

という事がおきます。

 

そうすると、中ぐらいの音と低い音だけファントムセンターになり、高い音は左の方向から音がするという現象がおきます。

 

実際に聴けるようにステレオ音源用意すればいいんでしょうが、作る環境がないのですみません。

 

今はざっくり高い音、中ぐらいの音、低い音の三つの音で例えましたが、音はいっぱい高い音から低い音まであります。それら全てが作用するので、音がゆらゆらと不安定に聞こえてしまうという現象がおきます。これが音がふらつくという事です。

 

歌声やセリフは上下する

皆さんご存知のとおり、歌声とかは高いパート低いパートとありますよね。

セリフの声も役者さんの演技で高かったり低かったりします。

先ほどの音がふらつく現象がここでもおきます。

 

例えば低い声の時は真ん中で聞こえるのに高い声は左にいってしまうというさっきの例え話と同じ現象がおきます。

そしてそれは左だけじゃなくて左右にふらついたりもするので、音が前から欲しいのにあっちこっちに飛んでしまいます。※その劇場やシステムによって変わってきます。 

聞いていてとっても耳が忙しくなります。

 

ただし映画館で見る場合よくわからない

ここまで説明したステレオでの再生ですが、座る席が右側だった場合右スピーカーの音しか聞こえなくなるので、それがしっかり再生できている劇場なのかどうかは本当にど真ん中の席に座っていないとわかりません。良い捉え方をすれば誤魔化せるという事なのですが、個人的にはちゃんとした再生がお届けできないので好きじゃないんです。

 

 

千と千尋のEDが難しい理由

やっとこれの話ができます。だいぶ駆け足での説明になってしまったここまでの説明ですが、

千と千尋のED、有名な「いつも何度でも」ですが、これ映画の本編できくと、何故かボーカルがLCRの前面三つのスクリーンスピーカーに同じぐらいの音量でいます。

 

さて、ステレオ2chでもとっても難しいと言いました。

3chに増えてしまっています。

 

難しいじゃなくてこれはもうおにちくです、、、

どう頑張ってもボーカルが左右にふらふらしてしまいます。

そもそもセンターにボーカルがいるのでそこはいんですが、左と右の相性だけを考えるだけじゃなくて、左と真ん中、右と真ん中、と見なきゃいけない音が増えてしまっています・・・

透明感のあるとっても通る美しい歌声がなんか治りが悪い、、、

しかも声が高いから本当に難しい、、、

距離が近い劇場であればまだなんとかなりやすいですが、大劇場だと難しいですね。

 

このエンドロールのいつも何度でもを完璧に鳴らせるシステムをお持ちの方は素晴らしいシステムだと誇っても誰も文句言えないと思います。少なくとも私はそうお思います。

 

 

実際書き起こしはじめると、着地点がわからず最後は駆け足になってしまいましたが、こんな感じです。

5.1ch以下のシステムの映画館って見つけるのが相当難しいと思うので、作る側の人も是非センタースピーカーを気兼ねなく使ってもらいたいですね。

 

ではまた。