映写雑記

映画館の設備視点

映画館でステレオ音源はとても難しい(前編)

こんにちは、今回はちょっと小難しい内容だとおもいます。

ほんとはいろんな画をいっぱい描いて貼り付けて、読みやすくと思ってたのですが、描く時間がなく、まったくブログの更新がはかどらないので、もう文字だけでいいやとなりました。すみません。

とりあえず

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お猫さま

子供のころに一緒に暮らしていた私の愛するお猫様のセクシーショットを置いておきます。

 

今回の話は、以前のジブリを映画館で観るべき理由を綴った日記の中で、千と千尋のEDをまともに鳴らすのが難しいと話しました。その理由にもなる話なのでまとめたいと思います。

achamiya.hatenablog.com

普段、一般の方が生活をする中で一番利用するのは2ch(2チャンネル)のシステムです。今のテレビやイヤホンで聴く音の大半は2chステレオオーディオになります。

オーディオマニアの方たちも2chまたは2chにサブウーファーを足して、2.1chにしている人がほとんどですかね。

ライブなんかのPAシステムも基本的には2ch(2.1ch)のシステムかと思います。

ステレオ2chはレフトスピーカーとライトスピーカーの二つの方向から音が出ます。

 

みなさん意外だとおもいますが、このL(レフト)とR(ライト)からの音を再生するというのは実はとてつもなく難しいのです。

 

何故ステレオの再生が難しいか

それを説明する前に、人間の耳の特性をざっくりアバウトに説明します。

※独学なのでちょっと間違ってたらゴメンなさい

 

人間の耳は左右についていますが、左右の耳が聴く音の違いで音の出ている位置を特定しています。

正面の音は、左右の耳に同じタイミング、同じ音量で聞こえているので正面と認識します。

左斜め前の音は左耳で聴く音が少し早く、右耳より大きく聞こえているため左斜め前から聞こえていると認識します。回析とかいれるとややこしくなるので割合します。

 

動物がまず危険を察知するのに使うのが音であり、人間も例外ではなくこの音の特定能力がとても発達しております。

 

このことを頭に入れてもらいつつ、ステレオ再生が難しい理由ですが、

それは、レフトスピーカーとライトスピーカーから出る音を左右対称にすることが難しいからです。

 

左右の音を対称にすることが難しいワケ 

バンドの音楽でも、ギターが左でベースが右でみたいな位置が偏っている物は問題ありませんが、ボーカルなどの真ん中で鳴らなければいけない音があります。

その真ん中で鳴る音をLRの2chステレオだった場合、左と右のスピーカーで音を真ん中に作らないといけません。

 

この左と右のスピーカーを使い擬似的に作られた真ん中の音をファントムセンターと言います。

 

このファントムセンターは左と右の音が全く同じタイミング、同じ音量、同じ音でやっと起こる現象です。

 

誰しもが想像しやすい音として、イヤホンの音を思い出して見てください。

ボーカルが自分の頭の真ん中、なんか目と目の間あたりの脳味噌あたりにいるように感じませんでしょうか。

 

楽器に関しては散らしている楽曲も多いので、左右で別れていると思いますが、ボーカルはちゃんと真ん中にいると思えるはずです。

 

イヤホンやヘッドホンはとてもこのファントムセンターがやりやすいです。

何故ならばスピーカーと耳の距離がほぼ無いに等しいので、やりやすいのです。

 

音は空気を伝わる波のような物理現象です。

あまり知られていませんが、温度、湿度、空気中の酸素や二酸化炭素なんかの成分の割合で音の伝わり方が変わります。その上、風や椅子などの障害物によっても左右され、屋内であれば壁や床天井から反射された音でも影響されます。

そして、それらが悪さをして左右の耳に入ってくる音に差ができます。という事は先ほど説明した人の耳の特性上、真ん中に音を感じるというのが難しい。

 

つまりどいうことかというと、

ものすごく極端な話ですが、スピーカーの配置を含めて、完全な左右対称の部屋でしかファントムセンターは難しいのです。

この左右対称には、壁や床天井の素材も入ってくるレベルです。

 

そのため、オーディオマニアの方達はルームチューニングだったけ?とかして、なるべく左右の差を調整してなくしたり定在波や残響とかを調整してファントムセンターなどの音が位置を持つ事を音像定位と言うのですが、その定位のためにがんばったりしてます。めちゃくちゃ金かけて。

 

ではなぜ、音を使う施設である映画館でも難しいのか

正直、家の方が簡単にできたりしたりするかもしれない(私の経験上)感じです。

 

・人とスピーカーが左右どちらかまたは前後に偏っているか離れている状態になる

・空間が大きい

・完全な左右対称の部屋が難しい

・お客さんが左右対称に座るとは限らない

・そもそも完全などセンターの席がない場合がある。

などの理由からファントムセンターというのは映画館ではとても難しいです。

 

最後に書いてある、センターの席がない場合があるという事の理由ですが、

高い周波数、つまり高い音ですね。になってくると数センチとか、数ミリとかの単位の音の波になってくるので、頭を少しずらすだけで音がずれてしまいます。そのため、左と右のスピーカーから左右対称の位置ではなくなっていくだけで成立しなくなります。

 

難しい理由の一部なんですが、そんな感じです。

 

そして声を大にして言いたい。

映画で2ch音源マジやめて。

 仕方ないですけど、エンドロールの楽曲は2chが多いです。主に邦画というか邦楽なんですけど。ただ最近ちゃんと映画用になってる場合も増えてきています。でもやっぱ2chとか2.1chが多いです。

洋楽って洋画で使われる時、ちょっとだけセンターも入っていたりそもそも5.1chに鳴ってたりするんですよね。たぶん映画用にリミックス?しているんだと思います。

 

エンドロールはまあしゃあないってなるんですけど、本編も2chステレオだと本当に厳しい。

 セリフは真ん中にいようとする音が入っているので、もうほんと泣きそうになります。

2chMONOとかいうクソ仕様、君もやめてほしい。

 

 ちょっと小難しい話だったのでここで一回切ります。

後編ではもうちょっと深く2chステレオについて説明しつつようやくジブリの話の続きに触れていきます。

 

引っ張るつもりなかったんだけど、結構文字数いってしまったので、、、

今回はCP650と違ってちゃんと後編につづけます。3〜4日後ぐらいの更新予定です。

 

ではまた。

ようこそ映画「館」音響の世界へも欲しい

eigaonkyo.com

こんにちは。今回はあんまり内容はありません。ツイッターのつぶやきみたいなものです。ちょっと忙しくて、ネタを作る時間が無かったからとかそいう理由ではないよ

 

先日より、ようこそ映画音響の世界へという映画が公開されました。

とっ・・・・・・・・・・っても面白い内容です。特に作る側の人ではなく上映する側の我々がみても、楽しい内容でして。業界に関係ない一般の方がみても新たな扉を開けるのではと思うほど誰が見てもよい映画です。

 

あまり、新作の紹介って実はやりたくなかったのですが、とっても素晴らしいのでちょっと触れてみました。

 

こんなに、いろんな想いをもって作られている作品たち、やはり作られたそのままを上映してこそ、その想いに応えられるのでは。。。と思いました。

 

画と音で出来てる映画。音がいかに大事で偉大な存在なのかも分かります。

両方が調和したり掛け算されて最高の状態になる映画

その最高の状態をお届けする役割を頑張りたいですね。

この辺りをもっと勉強したいので、またスカイウォーカーランチに行きたいですね。。。1日だけの見学でしたが、いまだにあの時の衝撃を覚えています。

 

映画音楽と音響がきたので次に映画館の音響の世界を紹介する映画も作ってくれたらいいなぁ

 

次は、保留していた千尋のEDを鳴らすのがめちゃくちゃ難しい理由を書いてみたいと思います。

 

映画を観るか、映画館を観るか

こんにちは。

今日は映画の感想とかを観てて、映写として「もったいないな!」と思った事がありますので、その話をしようと思います。

 

爆音上映という文化

ここ数年で、爆音上映等の特殊な上映が一般認知されはじめ、賑わうコンテンツの一つになってきたかなと思っております。

先駆者は吉祥寺の今は無きバウスシアターかなと思っておりますが、昨今はいろんな映画館で爆音上映を観る事ができます。あのTOHOシネマズですら轟音シアターなるものを作り出したぐらいに市場的にも無視できない需要になっているんだなと感じました。

 

映画館でみる映画

映画館での映画の見方は十人十色、好きなように観て欲しい!好きなように楽しんでほしい!と思っています。

ですが、映写としてクリエイターさん達が作った映画をお客さんに届ける時にそれとは別の気持ちもあったります。

 

本心を率直に言うと、「爆音だけでなく、もう一回、観て欲しい」

という気持ちがあります。もう一回とは何か、爆音でも何でもない普通の上映で普通に観て欲しいという気持ちです。

 

私の音の先生的な存在の方から学んだ一つなのですが、「感想に音が残っていたら負けなんだ」という事を学びました。つまり、映画の感想が低音すげー!!とかサラウンドが良く鳴っています!な感想になってしまっているのはこちらとしては負けだと思います。

音の記憶があって意識が行くという事は映画のストーリーから意識が離れているという事です。

まあ映画自体が自分に合っているかとか、面白い、詰まらない、そもそも音を聞かせにいく作りだったりとかそいう理由も出てきますが、基本的には舞台や映画は音が邪魔しちゃいけないという事です。

 

何度も見ている映画は、細かい事に気を配る事ができるようになるので、ここの音が良かったとかなるのは当たり前だと思いますが、初見でわくわくしながら見に行く映画であるなら、映画自体も楽しんでほしい、こんないい作品なのにもったいない!と思ってしまう事があります。

爆音も楽しいですし、中毒になります。普通のものではやはり物足りないと感じるのも確かです。ただ、やはりエンターテイメント性を重視した上映だと思っているので、こちらは「映画館を観る」という方がしっくりするかなと思っています。

 

是非、「映画を観る」も一つの選択として増やしてみてください。同じ映画でも受け取る印象が良いか悪いかも含めて全く変わると思います。

 

映画を観て、映画を楽しんで。爆音で観て、映画館を楽しんで貰えたらなと思います。

 

なんかすげーポエムになってしまった...

 

 

ではまた

映画館で鑑賞中にスマホを見ると...

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場内でのスマホの光

 

こんにちは、まず真っ先に言っておきます。今回の記事はスマホを観てはいけない理由以外は私個人の考えです。

映画観賞中にスマホ観ている人って定期的に話題になりますよね。

私自身も映写室にいるとちらほら発見します。何度か自分でも直接お客様に注意したりもしています。

 

今回はモラルとかマナーとかは他の方がいっぱい説明してくれているので、それ以外で上映中にスマホをみてはいけない理由があるのでそちらを紹介し、実際自分で注意してみた経験から映画館の抱える問題点の考察を少ししてみようと思います。

 

上映中にスマホを見てはいけない理由

以前やっていたツイッターでもちょっと言った事あるんですが、上映中のスマホ操作は盗撮の容疑がかかるのでやめた方がいいです。

容疑がかかると普通に警察立ち合いの元でスマホの中身を見せるイベントが発生してしまいますので本当にやめた方がいいです。

たまに「やってないのに何で見せなきゃいけないんだ!」みたいな反論する人いますけど、実際に盗撮やってる人も同じこと言いますよね。つまりスマホの中身を見せない限り容疑は晴れないのです。

たぶんどの劇場も何かあると怖いから普通に警察を呼ぶと思います。

 

上映中のスマホ画面はかなりの害悪

冒頭の写真は上映中を再現した場内でアームレストにスマホを置いて撮影したものです。

写真でみてこの目立ちようなので、実際見るとそりゃもう何これってぐらい目立ちます。

鞄に隠してみている方もいますが、あれあんまり意味ないんです。普通に見えます。

最後列だからと思ってみてる人も居ると思うんですが、反対側の同じ列の人は普通に見えます。人間の視野角は思ってる以上に広いです。

劇場に慣れている人であれば、後ろで光っている物が壁に反射して何かが光ってると気づく人もいるとおもいます。最近は増えてきたドルビーシネマの劇場なんて多分真っ先に分かります。

スマホの光を気にする方が公共施設に向いてないっていう旨のコメントを観た記憶もありますが、違います。映画館は快適な上映環境を提供する場であるので、他人に不愉快に思われる行為をする事の方が映画館という公共施設に向いてないのです。

 

上映中に実際に注意した時に思った問題点などの考察

実際に何度か注意していますが、その時に思った問題点をいくつか。

まず初めに思った事は、中央に座っている人にはリアルタイムで注意が難しい。

結局、鑑賞終了後に警察と一緒に別室へ連行されるのですが、他のお客様的には鑑賞中になるべく早くに注意してもらいたいですよね。

通路よりの席であれば良いのですが、中央に座られているとどうしても他のお客様をかき分けて行き、お客様が鑑賞中の前で注意のやり取りをしないといけません。スマホいじってる人によってはそこで口論になるので上映どころではなくなってしまうリスクが高いです。

 

あと警備員を付けたらどうかという話もありますが、一日の上映回数が少ないミニシアターでなら予算があればできなくもないですが、いくつものスクリーンがあるシネコンでは現実的ではありません。スタッフが常駐する場合もその分だけスタッフを増やさないといけないのでやはり現実的ではないですね。

 

それと一般的なシネコンの構造だと、前方方面から入場する形の劇場が多いと思いますが、その通路から場内を見渡すのは逆にスタッフがお客様の視界に入ってしまうので使えないと思います。前方の異物というのはスクリーンの反射でかなり目立ちます。

 

ちょっと注意した時に感じたことでこれだけ出てきたので、フロアのスタッフはもっと思う事が多いのではと思います。

 

ちなみに映写室から監視するのはどうなのかという話もしますと、映写室からは座席全ては見えません。割とみなさんが思っているより局所的な部分しか見えないです。

私のいるところで一番映写窓が広い劇場でも50席ぐらいしか見えないですね。

 

では劇場内を圏外にするのはどうかという話も以前に偉い人達とした事がありました。ただごめんなさい、なんかすごい出来ない理由があったんですが忘れてしまいました。

 

私の一個人の所感ですが、それでこんな感じなので業務として直接接客している方々たちからするとさらに色々と難題が見えているのではと思います。

 

見捨てて良い問題ではないので、日々どうにかできないかは考えてる事だと思いますが、現状難しそうです。

観ているスマホ画面に警告が表示されるとかで直接干渉できるサービスができれば解決しそうですね。

 

ではまた。

 

 

 

映画館の音の心臓「CP650」を解剖してみた ハード編

 

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CP650

こんにちは、今回は映画館の音の心臓ともいえるCP650。ちょっと怪我をしたために部品どりとしてストックしてある子を解剖してみたので、観察日記にしてみようと思います。

個体によって、積んでいるオプションボードが違って結構中身が違うので観察して面白い子たちだと思います。

 

ハード編では、プロセッサー自体を解剖してみて観察します。

ソフトウェア編では、プロセッサーに電源をいれて操作してみたり、PCをつないでみて観察します。

二部構成です!

 

CP650とは何か

そもそもCP650って何ですかって話だと思います。

CP650とはドルビー社が発売していた、映画館用のサウンドプロセッサーです。

もう販売もサービスも終了しており、古いプロセッサーとなりますが、現役な映画館も多いとおもいます。私のいる映画館でも現役で動いております。

 

現行機種はCP950という3世代ほど進んでいます。何故そんな古いプロセッサーを現在も現役で使用しているかという話になりますが、実は35mmフィルム上映ができるプロセッサーとしては最終モデルで、35mm上映するのに必要なのです。CP650の次の世代であるCP750から35mmフィルムの上映ができなくなります。

 

古い機体ではありますが、35mmも扱えて、一台で7.1chまで対応できるプロセッサーとして優秀なシネマプロセッサーです。

音は現行機種の方が良いのですが、650も悪くはないです。

 

とりあえずバラしてみよう

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フロントパネル

フロントパネルです。

右側のボタンでどの音声出力をするかを設定とチョイスできるようになっています。 

 

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フロントパネル2

このフロントパネル開けたところにある右上のネジ一本だけはずすと前面がパカっと取れます。

R232CでPCを繋いだり、オシロスコープつないだり測定マイクを繋いだりして調整用途がメインです。SNが出てますがまあ時効でしょう。

 

 

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フロントパネル3

ちょっと古いメカな感じがして一気にワクワクする気持ちが湧いてきます。

 

 

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CP650の中身

さらにパネルがネジでとまっていて、ケーブル二本が刺さっているだけなので取り外すと、このような感じでボードと電源ユニットの部屋が出てきます。

 

 

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ケース内の電源ユニットスペース

簡素な作りですが、エアフロよさそうで熱害は起きにくそうですね、シンプルイズベスト

左側のボードのスペースにもエアーが流れる作りになっています。

 

  

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マザーボードとかオプションボード?

ボード類はPCのメモリーみたいにボードの左右についてるつまみを起こすと引っこ抜けるようになっています。

 

 

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Cat772B

まず下段のボードさん、Cat772Bと書いてあります。

Analogue I/O and bypass circuit boardとあるので、まあ多分アナログのインプットとかそいうの担当しているのでしょう(アバウトすぎる)

 

 

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Cat774A、Cat773、Cat790、Cat797

次は上段のボードです。いっぱいボードがついています。

ここで、アドバイザーとして月夜野さんにヘルプを出しましてどんなボードなのかちゃんと聞きました。ボードの名前だけだと多分そんな感じなボードとしかわからなかったので。

 

写真左側のCat790

SRD-EXのデコーダーボードです、6.1chするのに必要ですね。

そして、AESでデジタルインプットするためのボードも兼任していて、今ではこっちの方がメインの使われ方です。7.1chも対応できます。

写真右側はCat773

ドルビーデジタルデコーダーだそうです。

SRDするのに必要って事でしょう(聞き損じた)

月さんありがとうございました。

 

 

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Cat774A

上二枚を外すと、Cat774AとCat797がでてきます。

Systems controller boardと書いてあるので、おそらくマザーボードみたいなものだと思います。

右側のバーコードがついてるシールが貼ってあるところがちょっと浮いていて、CPUみたいな足がいっぱいついているボードになっています。Cat797-1です。

Flash ROM boardとかいてあるのでFROMなのでしょう。

774Aの右上にボタン電池があるのでBIOSのようなもののバックアップがされているという事だと思いますが、この子死ぬとデータ飛ぶのでは、、、?定期的に通電しなければダメかしら。

 

 

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電源スペース

天板を外して電源スペースもみてみました。

なんか左側のBYPASS FUSE F2ってかいてあるところ膨らんでませんかね?コンデンサみたいなのだったら怖いですね。

シンプルですね。

 

 

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上から

全部戻して上から撮影してみました。なんかオーディオアンプでよくある写真ぽいですね。

 

 

 

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日本語マニュアル

ちなみに、箱の中もう一個箱があって中にマニュアルが入っていました。

知らなかった、、、今まで下の写真の英語のマニュアル(インストールマニュアル)読んでました。載ってる事は一緒ですが、要所を抜粋されてちゃんと日本語訳されている、、、!多分こんな事が書いてあるとか結構アバウトに読んでたところがちゃんとわかりました。く、くやしい。(英語版の薄いユーザーマニュアルもあります)



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インストールマニュアル



あとバックパネルを載せてませんでした。

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バックパネル

映写機についているサウンドリーダーからのインプットや、音のインプット、アンプなどに繋がるアウトプットといっぱいついてます。遠隔操作ようのコネクタもあります。最近のCP850とかはHDMIやLANもついていますね。

 

ちゃんと最後は元に戻してあります。バラし道は元に戻すまでがバラし道です(キリッ

 

本当にただバラしただけでした。けどとっても可愛い子ですね。

ハード編はこのあたりでしょうか。

次はソフト編をやりたいと思います。その前に何か別のネタを挟むかもですが。

 

ではまた

 

追記

月さん「え、てかブログ読んだけど、その持ってるInstallation Manualに全部書いてあるよ?」

私「え?....(パラパラとめくる)...ほんまや!!!!」

あんまりちゃんと読んでない事がバレた時でした。

映写スタッフ的におすすめ映画 その1 フォードvsフェラーリ

はいこんにちは。

今回は映画館スタッフが勧める映画というのは良くあると思うのですが、ちょっと視点を変えて映写としてのオススメする映画をピックアップして、なぜそれがオススメなのかを映写視点で解説という名の布教をしていきたいなと思います。

 

 

youtu.be

普通、オススメとか言うなら新作すすめない?って思われると思うんですが、新作じゃないです。今年の年始に上映していた映画です。今映画館で観れないですすみません(どこかで上映しているかな?)。

フォードvsフェラーリ

という映画です。

レースの中でも最も有名なレースの一つ、ル・マン24時間レースを題材にした映画で、ル・マンの数あるストーリーのなかでも、GT40というめっちゃかっこいいアメリカの伝説的レースカーが活躍するちょっと昔の実話です。

 

話がめちゃくちゃ私のツボを全て網羅しているので、話だけでもオススメしたいのですが、音と画づくりがとても映写が試されてるなって震える作品です。

 

なのですが、年代を表現したいためかちょっとセピアっぽい?褪せた感じの色味です。専門用語はわかりませんが、パキっとした色ではありません。

そして、明るいシーンが多いです。このような、色が浅めで明るいシーンはプロジェクターの状態がとても試される画となります。

 

SXRDという私が使用しているプロジェクターでの話になるので、DLPはちょっと分からないのですが。

このタイプの色味は、プロジェクターの色の調整が狂って表面に出てきやすい赤や緑といった色が中間色等に悪影響を及ぼしやすく、プリズムという機構のヘタリだったり、ユニフォミティの調整がずれてきている時の影響をもろに受けてしまいます。

 

あと、物が速く動いているているシーンが多いので、SXRDの描画がもっさりしたプロジェクターだとはっきり苦手だなーと感じます。

しかし、きっちりセッティングをだせば、浅い色のうえに少しの絶妙な立体感とSXRD特有かなと思っているちょっとした温かみのある色というか描画の綺麗な映像を観る事ができます。

かなりの数が全国で導入されているソニーのSXRDプロジェクターですが、良い条件で稼働しているプロジェクターは少ないと思います。

 

それとこの映画に限ることではないのですが、やはり劇場の迷光が多いと、ちゃんとした色として発色し難い画の一つです。

 

ホームシアターのプロジェクターでもちょっと難儀するんじゃないかなーと思っています。

 

続いてですが、

この映画に限らず、車の音というのは録音からして難しく、再生するとなるとさらに難しい部類の音になります。

何故かというと、パルスのような瞬間的な爆発音の音が車の音ではメインで多いので、まずこの世界に現存するスピーカーユニットがそのオリジナルの音に追いつけません。

しかも排気音などは低域がメインだと勘違いされやすいですが、高い帯域が全て同時に発音しなければちゃんとした排気音にはなりません。それもかなりの大振幅の音波をもって耳に届いてこその車の音です。なので実車と比べるとどうしてもちょっとボヤケた音になります。

実車のレースカーやチューニングカー、スーパーカーの音を聞いた事ある人なら言われると、ああ確かにって思ってもらえると思います。

 

それを上手くちょっと嘘ついてる感じでリアリティある音になっちゃってるのがこの映画ですね。いや狙ってるのかはわかりませんが、そう感じました。

 

タイヤのスキール音とかも似たような理由でかなり再生が難しいのですが、良くそれっぽく入れてるなって思います。音から路面温度を感じさせるタイヤの走行音も素晴らしいです。これらの音全て、スピーカーの質が物を言います。

 

コーナー侵入の音だけで、いま前荷重でノーズが少しインに向いていっている、、!という感覚が伝わってくる感じと画もそれをしっかり表現してくれているので、車好きは脳汁が止まらないと思います。

 

そして演出上の音の引きもあり、箱の残響特性が試される。さらに、サラウンドの繋がりが甘い劇場がすぐ分かります。元が綺麗なつながりのサウンドミックスほど、少しの甘さで上手く繋がりません。

 

それとクリスチャンベールがちょっともごもごした声なんですよね、これも綺麗に再生するには難しい音です。

 

以上の事から上映するにはかなりの度胸が必要な映画で、冷や汗いっぱいかきました。

 

5.1ch以上のホームシアターを組んでいる人は是非、BD等でマルチチャンネルでの再生をしてみてください。ステレオのシステムでも細かい音の再生が難しので、全てのホームシアターの腕試しに最適なソフトだと思います。

この映画で味噌なのは大きい音が出るかではなく、レースのリアリティがある音が出せるかが評価の味噌かなと個人的には思っております。

 

 

...再生難しいよっていう内容になっちゃいましたが、難しい方が再生してて楽しいじゃん?的な感じでオススメって事で...お願いします。

ではまた。

映写のお仕事を解説するよ

こんにちは、今回は映写のお仕事ってどんなお仕事なんですかってよく聞かれるので、私のいる映画館での映写のお仕事って何をしているのかを紹介しようと思います。

写真をつけたかったのですが、どうしても社外秘の部分がかかってくるので写真にしにくいため今回は文だけです、味気ないですがすみません。

 

まずお仕事の紹介をする前に、簡単に私の考えを書いておきます。

今、映写技師と言われる人は少ないですし、私自身は映写技師と思っていません。映写担当です。便宜上で映写技師と紹介する事はありますが、技師と言えるほど技術をもっていません。

本物映写技師さんは本当に凄いです。何人か知っていますが、某映写室からのつぶやきの管理人のあの方とか本物の映写技師だなって思います。いやマジで敵わない。。。

なので映写技師のお仕事ではなく、映写のお仕事なのです。

 

さてちょっと説教じみた事を書いてしまいましたが、紹介と解説をしていこうと思います。

 

ちなみに、映写のお仕事って映画館によって業種が違うのかってぐらい十館十色です。

なので、あくまで私のいる映画館での話になります。

 

映写のお仕事 映写の日常編

1、オープンとクローズ

どんなサービス業もそうだと思いますが、とても大事な作業だと思います。

その日1日安全に営業できるように、上映に関連する機材たちを入念にチェックしながら電源をいれていき、上映の準備をしていきます。その日の営業が終わったら、後ほど紹介する営業後の作業がある場合以外は、丁寧に電源を落としてクローズしていきます。

 

2、コンテンツ管理

以前であれば35mmフィルムでの在庫管理でしたが、今はHDDや、USBフラッシュメモリがメインで、取り扱う映画の上映素材を管理しています。

映画の入ったHDD等が配給様から送られてきますので、データは劇場の大きなサーバーに移して、HDDは万が一のデータトラブルのバックアップのために一時預かりしていたり、他の映画館様に宅急便などで発送したりします。この流れは35mmフィルムでも一緒で変わっていませんね。

まだたまに35mmを上映したりするので、そのフィルムも預かり保管したりしています。

めちゃくちゃルーチンワークになるのですが、信用問題やコンプラ、上映の可否などが絡んでいて、とても責任重大な作業です。

 

3、上映の確認

主に、上映開始、上映中、上映終了時の3パターンで上映中の確認をします。

まあ、ちゃんと上映できるかなできたかなっていう確認です。

安全に上映するためにこれもとても大切な作業です。

 

4、プレイリスト、上映スケジュールの作成

SPLと言われるプレイリストと、何時に何処のスクリーンで何の映画を上映するのかというスケジュールの作成をします。

この辺はデジタル映写!って感じの作業です。

SPLでは、予告編と本編を組み込み、場内の電気やらプロジェクターの制御やらのキューをセットしていきます。

結構、気に入ってる人も多い作業で、予告編の編成って配給の指示がなければこの時の担当者の好みで決まります。担当の好きな映画も絡んでくるので某戦車道のあの事件みたいな事がたまに起きたりしますすみません。

このプレイリスト作成にあたる作業を35mmでは編集作業と呼んでいます。

 

上映スケジュール作成とは、映画館の番組担当が決めた上映作品のだいたい1週間のスケジュールをもとに、オートメーションで上映するためにセットしていきます。まあミスったら大変なトラブルになるので、ここもかなり慎重な作業です。

 

番外編

最近は、トークショーなんかのイベントが多いため、マイクとか出囃子のセッティング、イベントのオペレーションもやります。最近私は、日中のオペレーションに参加してないので、今では後輩たちのほうが上手かったりしますね。PAさんかな?

 

 

映写のお仕事 営業時間外編

1、試写テスト

映写のお仕事!って感じでもあり、役得なお仕事の一つですね。

フィルムとデジタルでは見るところが変わってきますが、上映が問題なく行えるかというチェックとなります。

デジタルって必要あるの?という疑問もたまにもらいますが、結構再生トラブルを起こすので、ここで確認を絶対にしておきたいところです。

フィルムに関しては、やはりアナログ的な映写になるので、デジタルとは違う物理的な動作チェックと映写機のセッティングをメインで行います。

 

それとこの試写テスト時に上映ボリュームを決めます。

このボリュームに関しては界隈でよく話題になることなので詳細は別の記事にしようと思っています。

なので簡単な説明になりますが、理屈上で言えばボリュームは固定で問題ないはずなのですが、ダメですね。固定でできません。必ずチェックします。

それと、その延長で、音の調整が必要かどうかの判断をします。必要だなって思ったら、3の作品ごとの音響調整の項目を行います。

 

映画をお客さんに出す前に劇場を独占してみる事ができる本当に役得な仕事です。

 

まあやっぱりなんだかんだこの試写テストが一番好きですね。

それに何度も映画に助けられたという経験をしています。

 

 

2、設備チェックとメンテナンス

スピーカーがとんでないかとか、アンプが死んでないかとか、映写機は問題ないか映写窓まだ綺麗?とかをとにかく思いついた箇所をあの手この手でチェックして直せるところは自分たちで直します。

試写テストと同時進行で行う事も多いです。

映写機であれば清掃やオイル交換、油をさしたり。デジタルとアナログサウンドヘッドの読み取り調整をしたり。

プロジェクターであれば色味のチェックをしたり輝度調整ですね。画角調整とかもたまにします。

 

あとは季節によってちょっと音関係にちょっと手をいれます。最近はsmaartとかを覚えてきたので、そんなFFT測定のツールをつかったりしてますが、測定で見えない部分もあるので結構聴感作業になります。

音って温度や湿度、お客さんの着ている服で変わってしまうので、やはり季節によってちょっと変えたいですね。

 

3、作品ごとの音響調整

まず最初にいうと、普通の映画館はしません。というか本来必要ないのです。作品は製作者が作ったままを提供するのが映画館の仕事の一つです。

 

これもどちゃくそ言いたい事が多いので別記事にしますね。

一応ちょっと言っておくと、なるべく本来の音に近づけようとしています。それと設備の保護があったりします。

そのために、いろんな方に無理を言ってスタジオを見学させてもらったり、作ってる環境を見せてもらったりしています。まあ余りにも難しい事なので理想通りには出来ませんが、目指すところはそこです。出来るかどうかよりやってみるって感じです。

 

4、爆音上映なんかの音響調整

たぶん、みなさんが一番興味あるところじゃないですかね。

作品ごとの音響調整の一つでもあるのですが、エンターテイメントに極振りした調整作業です。

私のいる映画館が他の映画館と大きく違うのは、日本を代表する超凄い音響エンジニアの方に来ていただいて調整をしてもらっている事でしょうか。このクオリティを出すにはやはりその道のプロになっても難しいですし、今の私には難しいですね。

でもいつも後ろで勉強させてもらっています。

本当は私もやりたい

 

そんな中、岩浪音響監督とかはたまに私を使ってくれるのでとてもその時は嬉しいです。感謝しかありません。力みすぎて空回りしちゃう事も多いですが、(表に出す前のBLAME!とかはやりすぎた)作った人と一緒になると作品を変えてしまうのではという不安が無く楽しく作業ができるのが強みです。

 

さて、今回も長文ですが、これでもだいぶ簡略化しました。文章構成力の問題です、、、

細かい事はもっとありますが、今の私のいる映写のお仕事って大きく分けるとこんな感じですね。

 

ではまた。